CBREが22年動向のリポートで予想、今後2年間高水準の供給見込む
シービーアールイー(CBRE)は12月15日、2022年の不動産市場動向に関するリポート「マーケットアウトルック2022」を公表した。
賃貸物流施設に関しては、3大都市圏のいずれでも今後2年間、高水準の新規供給が続くと展望。特に首都圏は2年連続で過去最大ペースになると見込んでおり、「需給バランスは大きく崩れなくとも、物件のクオリティ次第でリーシングの進捗には格差が生じる」と予想した。
また、福岡圏も供給が拡大するものの需要も旺盛で賃料上昇が見込まれると指摘。4大都市圏の物流マーケットは健全な成長が持続すると分析した。
リポートは、4大都市圏の大規模なマルチテナント型物流施設のストック総面積について、07年実績と比べると、21年に約7.5倍、23年には約10倍まで拡大すると予測。依然需給バランスがタイトだが、大量の新規供給が続くため、中部圏で中期的には需給バランスが若干緩むとみている。半面、首都圏や近畿圏は大きな緩みはないと想定している。
新規供給は、首都圏が22年で72万坪、23年は90万坪とハイペースを予想。一方、近畿圏は22年が5.6万坪と13年以来の低水準になり、23年は23万坪まで戻るとのシナリオを描いている。
中部圏は22年に16万坪、23年は28万坪、福岡圏は22~23年でトータル16万坪をそれぞれ見込む。
福岡圏は向こう2年間で実質賃料が7.1%上昇と、4大都市圏の中で最も高い伸び率を記録すると試算。半面、首都圏は22年に1.6%上昇するものの、大量供給の影響で23年は0.4%上昇にとどまると仮定している。近畿圏は22、23の両年でいずれも2%超と見積もっている。
中部圏はテナント獲得競争が激しくなり、22年はほぼ横ばい、23年は0.3%下落と弾き出している。
4大都市圏のストックと空室率の推移(CBREリポートより引用)
(藤原秀行)