日本郵船、液化CO2海上輸送・貯留事業でノルウェー企業と合弁会社を設立

日本郵船、液化CO2海上輸送・貯留事業でノルウェー企業と合弁会社を設立

回収・貯留手法で船舶の需要増と期待

日本郵船とノルウェーのKnutsen Group(クヌッツェン・グループ)は1月18日、液化二酸化炭素(CO2)の海上輸送・貯留事業に関する新規事業開拓とマーケティングを担う合弁会社「Knutsen NYK Carbon Carriers AS」(クヌッツェン・エヌワイケイ・カーボン・キャリアーズ、KNCC)を設立したと発表した。

日本郵船とKnutsen Groupの折半出資。今後、KNCCは常温での液化CO2の輸送・貯留を可能にする、Knutsenが独自に持つ技術「PCO2」を使用した液化CO2輸送船の開発を目指す。また、PCO2以外の技術を用いた低中圧型の液化CO2輸送船の開発も検討する。

地球温暖化対策の一環として、CO2を回収し転換利用や貯留を図る手法のCCUS(Carbon capture, utilization and storage)は、火力発電所や工場などから排出されるCO2を回収し、作物、化学薬品、建設資材などの生産工程で利用したり、安定した地下の地層に貯留したりする。カーボンニュートラル社会を実現するための有効な手段として期待されており、液化CO2輸送船はCCUSを展開する際に液化CO2を貯留および利用する拠点まで輸送する上で重要な役割を担い、将来の需要拡大が期待されている。


バウローディングシステムを備えた液化CO2輸送船のイメージ。バウローディングシステムは洋上や港で使用されるタンカーの船首から荷役作業を行うためのシステム。緊急時に速やかに離脱する目的で、荷役ホースの接続および切り離しが通常のタンカーの荷役システムと比べて容易なのが特徴。

両社は、世界有数のシャトルタンカーオペレーターのKnutsen NYK Offshore Tankers(クヌッツェン・エヌワイケイ・オフショア・タンカーズ、KNOT)を共同で事業展開している。KNCCでも陸上および沖合での液化CO2の積み込みと積み降ろしを含む、高度な輸送技術を顧客に提供する。

KNCC設立はCCUSバリューチェーンに参画するための重要な足掛かりとなり、日本郵船とKnutsen Groupの両社は今後、運航および船舶管理に関する豊富な知識を組み合わせ、KNCCを通じて中小型だけでなく、大型の液化CO2輸送船の運航についても早期実現を目指す。

(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)

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