初の製造業、卸・小売業ともにゼロ
政府が物流事業者や荷主企業と連携してトラックドライバーの就労環境改善などを目指す「ホワイト物流」推進運動に賛同し、自主行動宣言を提出した企業・組合・団体が2021年12月末時点で大手メーカーや卸・小売業など計1315に到達した。同運動事務局が1月19日、活動状況を紹介している専用ウェブサイトでデータを更新した。
ただ、昨年11月末からの1カ月間で見ると、増加したのは8にとどまった。1カ月ベースの新規参加数が1桁となったのは初めてとみられる。また、新規参加したのは大半が運輸・郵便業で、荷主の製造業、卸・小売業がともにゼロとなったのも初めてのようだ。
新型コロナウイルスのオミクロン型が猛威を振るい、経済活動にも影響が出始めている中、ホワイト物流運動への注目度が下がり停滞する懸念が強まっている。トラックドライバーの拘束時間規制強化などが2024年度に実施される「2024年問題」を控えていることもあり、運動の機運を再度盛り上げ、就労環境改善と業務効率化を促進していくことが国や物流業界などにとって急務になっていると言えそうだ。
同運動事務局は昨年12月中に新規で賛同を表明した企業の具体名を公表した。8社中、運輸・郵便業が7社で、残り1社は情報通信業だった。ロジビズ・オンラインの独自集計では、運輸・郵便業は11月末時点の699から706に増加。製造業は368、卸・小売業は111のままだった。
政府は2019年4月の運動開始に先立ち、上場企業約4000社と、全国47都道府県ごとに売上高上位50社ほどを選んだ約2300社の経営トップへ直接文書で協力を要請した。現状ではそのうちの約2割が運動に賛同している。
(藤原秀行)