大量の入荷などで混乱と説明、解消のめど立たず
オイシックス・ラ・大地は1月24日、物流センター移転に伴うトラブルが原因で、商品配送に遅れや欠品が生じていると発表した。
同社は当初、2024年に物流センターの大規模拡張を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う“巣ごもり需要”の伸びで宅配利用が急増したため、注文を制限するなど混乱。そのため、出荷体制の強化へ当初予定を大幅に前倒しして22年1月に物流センターを移転することを決めた。
新しい物流センターは神奈川県海老名市で21年8月に完成したプロロジスの物流施設に入居した「OisixNew(オイシックス・ニュー)海老名ステーション」。オイシックスは同11月から段階的に移転作業を進め、21年の年末も含め同センターで問題なく出荷できるかどうかを確認の上、予定通り移転を進める判断を下した。
しかし、今年1月18日に大規模な移転作業を行った際、在庫の移動を含む荷受け業務と後続する庫内作業で遅延が発生。同日から1月24日に至るまで、「Oisix」および同センターから出荷を予定していた「ISETAN DOOR」「d-ミールキット」の常温・冷蔵商品でユーザーへの欠品、配達遅延や見送りなどが続いている。
同日夜時点でもまだ混乱は解消されておらず、問題解決の時期のめどは立っていない。
オイシックスは「計画や判断の甘さがあり、初日に大量の商品が想定していなかったタイミングで同時に入荷があったことなどから受け入れが混乱し、その影響で後続の作業が予定通り進まず大量に欠品が発生してしまった。混乱の影響がその他の多くの工程に波及してしまい、実際の在庫とデータ上の在庫が一致しないといった事象が多く発生したため、出荷作業の前にスタッフ全員が手動で在庫整理と移動を行ってから出荷作業を開始することとなり、出荷の遅れや欠品、お届けができない事態が連日起きてしまっている」と説明。
併せて、コロナ感染対策を講じつつ、社員総出で出荷作業に当たりながら発生している問題の解決を並行して進めていると強調。「一時的に販売商品を少なくさせていただくことで問題の拡大を抑えながら、商品の棚卸しをし直し、整理した状態で出荷体制を立て直すことを試みている。問題の収束までは一部商品の販売休止や注文の制限などを継続せざるを得ない状況」と謝罪している。
「OisixNew海老名ステーション」が入るプロロジス開発の物流施設(オイシックス提供)
(藤原秀行)