経団連・中西会長が新年メッセージであらためて決意
経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)は1月1日、新年メッセージを発表した。経団連が昨年11月に発表した社会変革の提言「Society 5.0―ともに創造する未来―」に言及。「目指すべき具体的な社会像を『Society 5.0 for SDGs』と位置付けた。この提言をさらに磨き上げ、実現の旗振り役を担い、日本の経済社会の変革を主導していく」とあらためて強い決意を示した。
提言は、これまでの効率重視などさまざまな制約から解放され、「価値を生み出す」「誰もが多様な才能を発揮できる」「いつでもどこでも機会が得られる」といった方向に社会を変えていくことを表明。国連のSDGs(持続可能な開発目標)にも貢献できると強調している。
具体策として、大企業とスタートアップ企業の連携によるイノベーション促進、各領域で抜きん出た才能を有するトップ人材やエリートの育成、“AI(人工知能)駆動型”産業への転換などを打ち出している。物流に関しては自動走行やドローン(小型無人機)、ロボットの活用などを提唱している。
中西会長は「デジタル化を悲観的に捉えるのではなく、デジタル化を通じた明るい社会の創造という未来に向けた前向きなコンセプトを日本から世界に発信していくことを意図して、包括提言を策定した」と説明。
その上で、2019年の活動方針として①「Society 5.0 for SDGs」を中心とする成長戦略の強化②社会保障制度の持続可能性確保や財政健全化など構造改革の推進③自由で開かれた国際経済秩序の維持・強化に向けた経済外交の展開――を柱に据えると明言。「この不確実な時代を乗り越え、新しい時代を果敢に切り拓いていく」と明言した。
(藤原秀行)