損保ジャパンが業界初、船舶の機関不具合の事前把握・防止を促進する保険商品開発

損保ジャパンが業界初、船舶の機関不具合の事前把握・防止を促進する保険商品開発

部品交換などの費用を補償

損害保険ジャパンは3月4日、船舶の機関不具合を事前に把握して海難を未然に防止するのを後押しするため、「舶用機関機械的事故防止費用保険」を業界で初めて開発したと発表した。機関の部品交換などで生じた費用を補償する。

技術の進展に伴い、船舶の安全性が高まっている側面がある一方で、ひとたび海難が発生するとその規模や費用において大規模化・高額化する傾向にある。また、世界的な船員不足に加え、コロナ禍による各国の入出国規制に伴い船員交代が困難になるなど、船舶の運航に欠かすことのできない乗組員問題も追い風となり、各国では「自律運航船」や「自動運航船」の領域で数多くの技術開発や実証試験を実施。船舶の技術革新は過去に例を見ない速度で進展しつつあり、同時にその安全性に多くの期待が寄せられている。

経済の需要や労働力の供給を始めとして海運業、それに供される船舶の課題は日々変化し、特に安全確保を伴った技術革新が求められるなか、ClassNKコンサルティングサービス(NKCS)が販売窓口を務める「ClassNK CMAXS」は、船舶の機器のトラブルを初期段階で防止して安全運航を支援するため、複数の機器メーカーとアライアンスを組んで共同サポート体制を実現した。

損保ジャパンは、これまで事故が発生した結果の損害に対して保険金を支払うことで国際物流に貢献してきたが、今後は「ClassNK CMAXS」のようにIoTを活用した技術を活用し、事故の未然防止につながる取り組みを通じて国際物流に新たな貢献をしていきたい考え。

※以下、プレスリリースより引用(一部、編集部で修正)
「ClassNK CMAXS」の特徴
・メーカーの異常検知に関するビッグデータとIoT、機械学習アルゴリズムを併用した診断手法の構築
・診断結果による機器の異常の早期発見、事故発生確率の減少を実現
・機器の動作原理に基づいた適切な自動トラブルシュートと適切な点検項目の自動抽出、点検手法の提示
・実際の危機状態に基づいた最適な予防保全を実現
・診断パラメータ、コンテンツ、機能を継続的に更新する運用体制を構築

取り組みの内容
損保ジャパンは、NKCSが展開する「ClassNK CMAXS」が発見する船舶機関(メインエンジンおよび補機)の不具合の予兆をもって、機関の部品交換等に生じた費用を補償する、「舶用機関機械的事故防止費用保険」を損害保険業界で初めて船舶機関メーカー向けに販売を開始する。

(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)

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