オムロン新中計、機軸の制御機器で物流を注力事業に設定

オムロン新中計、機軸の制御機器で物流を注力事業に設定

山田社長「自動化投資を狙っていく」と期待、ピッキング支援

オムロンは3月9日、オンラインで2030年度を視野に入れた新たな長期ビジョン「SF2030」と2022~24年度を対象とする中期経営計画「SF 1stStage」に関する説明会を開催した。

長期的な目標として「人が活きるオートメーションでソーシャルニーズを創造し続ける」と表明。生産現場への協調ロボット提供による自動化促進と生産性向上をさらに加速させていく意向を示した。併せて、ヘルスケアで新たな予防医療サービスを開発することや、社会課題を解決するソーシャルソリューションで再生可能エネルギーの普及へ発電を安定化させる制御システムの提供に尽力することなども打ち出した。

また、新中計は対象の22~24年度を、社会的課題を捉えた価値創造と持続的成長への能力転換を加速する「トランスフォーメーション加速期」と設定。基軸の制御機器事業では、注力する事業の領域にデジタルや環境モビリティ(NEV=新エネルギー車)、食品&日用品、医療と併せて物流を据え、売上高を21年度(22年3月期)の4300億円から24年度(25年3月期)は7%増の5300億円まで伸ばすことを盛り込んだ。

この中で物流が具体的にどの程度の売上高を見込んでいるかには言及していないが、注力事業の売上高はトータルの目標として18%伸ばすことを明記した。

山田義仁社長CEO(最高経営責任者)は「取扱量増加や深刻な作業者不足によって進む物流業務の自動化への投資を狙っていく」と語り、今後の売り上げの伸びに強い期待をのぞかせた。

同席した竹田誠治執行役員グローバル戦略本部経営戦略部長は注力事業について「(物流などは)額としてのインパクトはデジタルや環境モビリティ(NEV)と比べると小さいが、伸び率としては非常に大きくなっている」と解説。「われわれが持つロボットを組み合わせたピッキング型ロボットで物流業界のニーズに応えていくということで新たに物流を(旧来の中計から)違った形で捉えなおしている」と語った。


会見する山田社長(中央)ら経営幹部(オンライン会見画面をキャプチャー)

(藤原秀行)

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