丸紅グループと大手出版3社、出版流通のデジタル化・効率化へ合弁会社設立

丸紅グループと大手出版3社、出版流通のデジタル化・効率化へ合弁会社設立

AI生かした出版物の発行・配本量最適化、RFIDタグ使った在庫管理省力化など想定

丸紅と紙製品を手掛ける丸紅フォレストリンクス、講談社、集英社、小学館は3月24日、出版流通のデジタル化・効率化に取り組む新会社「PubteX」(パブテックス)を3月11日付で立ち上げたと発表した。

丸紅と講談社、集英社、小学館は2021年5月、新会社設立に向け協議を開始する方針を公表していた。

21年の出版売上は1兆6742億円に上り、3年連続で前年実績を超えたが、近年の出版界は高い返品率など複数の構造的な課題を抱えており、改善が急務になっている。

PubteXはAIなどの先進技術を活用し、様々なデータを基に出版物の発行・配本量を最適化したり、RFIDタグを出版物に装着して在庫管理の省力化や棚卸し業務の効率化を図ったりすることなどを想定している。

AIによる発行・配本量最適化サービスを進める上で、丸紅のデジタルSCM事業の戦略的パートナーとなっている米国のo9 Solutions(オーナイン・ソリューションズ)の先進技術「o9 Digital Brain platform」を活用。2023年4月から段階的にサービスを展開することを目指す。

RFIDを駆使したソリューション事業は23年7月に始めることを目標にしており、販売条件の管理や万引き防止なども図ることで書店の経営をサポートする狙いもある。RFIDの普及に向け、機能やサービス内容を研究・公開する場として今夏をめどに、PubteX 社内にRFIDショールーム(ラボ)を開設する予定。

PubteXは丸紅が34.8%、残る4社が16.3%ずつ出資している。

<PubteX社の事業概要>

(藤原秀行)※新会社ロゴマークと図はプレスリリースより引用

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