(川上和人著・新潮社)
タイトルからして何やそれ?と脱力感満載の、鳥類学者による超風変わりな鳥エッセイ。無人島への生態調査などアクティブな活動ぶりとさまざまな鳥の生態紹介がメーンではあるが、「即刻メグロを都民の鳥に指定するのが道理だろう。私は茨城県民だが何か?」といった、ページごとに爆裂するボケやギャグがアカデミズムとはるか遠くかけ離れていて、逆に味わい深い。生態系保持の困難さと意義については打って変わって真剣に訴えていて、タイトルとは裏腹の“鳥愛”の深さに感心。(2017年4月刊・新潮社)
(藤原秀行)