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冷凍・冷蔵倉庫、愛知や埼玉などで開発誘引へ

冷凍・冷蔵倉庫、愛知や埼玉などで開発誘引へ

CBREリポート、ECで食品購入増加が追い風と展望

シービーアールイー(CBRE)は4月18日、コールドストレージ(冷凍・冷蔵倉庫)に関するリポートを公表した。

eコマースを通じた冷凍・冷蔵食品の購入は今後拡大の余地があり、コールドストレージの需要増加にもつながると考えられると展望。コールドストレージの潜在的需要があるとみられるエリアでは新たな開発を誘引していくとの見方を示した。

現在は冷凍・冷蔵食品メーカーなどが自社で保有しているケースが大半だが、今後は賃貸型のコールドストレージが次第に増えていくと予想。併せて、既存の老朽化したコールドストレージの建て替え需要も漸次増加していくとの見方を示した。

コールドストレージの開発は通常のドライ倉庫より難度が高いことなどを考慮し、今後投資家にとっては、BTS型のコールドストレージの開発や、複数の企業が連携したジョイントベンチャーによる計画的な開発、マルチテナント型物流施設の一部を冷凍・冷蔵仕様にカスタマイズした案件へ参入していくことが考えられると予測した。

「マルチ型施設の一部区画であらかじめ対応」のパターンが増加と予想

リポートはコールドストレージの現状を分析。その特徴として「低温物流に精通した物流企業が国内に組織的なネットワークを持っている。専門性の高い領域であるため大手企業の市場占有率が高く、保管能力シェアは上位わずか5社で25%に達する」と指摘した。

また、コールドストレージは冷蔵・冷凍設備の投資負担が重いことなどから、建物と設備を一体で建設するのが一般的であり、現存するコールドストレージは大手企業の自社開発・自社所有がほとんどと解説した。

近年、市場が急拡大している賃貸型物流施設の中でも、首都圏の大規模なマルチテナント型に入居するテナント企業の取り扱い荷物を見たところ、食品は全体の13%だったと説明。「割合は決して大きくなく、人口が減少に向かう日本では今後も大きな成長は望みにくい」と分析した。

同時に、取り扱い荷物の22%を占めているeコマースは今後も伸びが見込まれ、その中には冷凍・冷蔵食品が含まれ、将来も少しずつ購入量が増えていくとの予想が出ていることに言及し、「ECを通じた冷凍・冷蔵食品の購入量は今後も増加傾向と考えられる」と明言した。

現在のコールドストレージ配置を見ると、愛知や埼玉、千葉などは人口が多い半面、コールドストレージの所管容積で上位に入っておらず、潜在的な食品のEC需要に対してコールドストレージの容量が不足する見通しに言及。東京でも充足していない可能性があるとの見方を示し、こうしたエリアで開発が促されるとのスタンスを示した。

その上で、食品ECの積極的な担い手は大手低温物流企業ではなく、中小・新興の物流企業が多いため、初期投資が大きく稼働まで時間を要する自社開発よりすぐにコールドストレージを立ち上げられる賃貸型を志向する傾向があると説明。賃貸型のニーズが伸びていくとの見通しを明かした。

今後の開発形態としては、常温と冷凍・冷蔵食品の異なる温度帯の食品をまとめて保管・配送できる利便性や賃貸面確保の自由度を考慮し、賃貸物流施設のデベロッパーが一部のスペースをあらかじめ冷凍・冷蔵対応にする使われ方がさらに一般化していくとのシナリオを示した。

(藤原秀行)

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