日本GLPと契約更新機に、電力消費量の20%賄う想定
DHLジャパンは4月19日、日本GLPと物流施設「DHL東京ディストリビューションセンター」(東京都江東区新木場)の賃貸借契約を更新したと発表した。日本GLPが開発した「GLP新木場」に入居している。
再契約期間は2042年までの20年間で、累計の支払い額は120億円。新たに再生可能エネルギー発電設備を導入し、施設のカーボンニュートラル化を推進する。
DHL東京ディストリビューションセンターの外観
契約に調印するDHLジャパンのトニー・カーン社長と日本GLPの帖佐義之社長(いずれもDHLジャパン提供)
契約更新に際し、ドイツポストDHLグループが推進する、2050年までにロジスティクス関連のCO2排出量を実質ゼロ化する目標「ミッション2050」に則り、施設の屋上全面となる約4000平方メートルに太陽光発電パネルを設置。発電容量は468.63キロワットを見込み、従来の施設全体の電力消費量の約20%を賄うことを想定している。
以前から進めていた各種照明器具のLED化に加え、今回導入したIoTを活用したエネルギーマネジメントシステムを生かし、太陽光による発電状況と電力消費量バランスを24時間体制で監視、電力消費量削減の最適化を図る。
契約更新に際し、物流施設の運営を担っているGLP投資法人が太陽光パネルの設置やLED照明器具導入を支援。併せて、物流施設全体の管理を日本GLPが担う形に切り替え、より効率的に施設を運用できるようにする。日本GLPは今回のDHLジャパンとの契約更改のように、既存の物流施設の価値向上にも引き続き取り組んでいく構え。
「DHL東京ディストリビューションセンター」は2002年、当時のDHLアジア太平洋地区最大の物流拠点として稼働を開始し、東日本地区におけるDHLの中核施設としてDHLジャパンの事業成長を支えてきた。16年に東京ゲートウェイを開設するまでは、成田国際空港発着貨物の仕分け拠点として、16年以降は日本におけるDHL最大規模の集配拠点となる東京セントラルサービスセンターの機能をそれぞれ担っている。
ドイツポストDHLグループは「ミッション2050」の実現に向けた脱炭素化のロードマップとして、2030年までに70億ユーロ(約9500億円)を投資し、世界各地のラストマイル配送車両の電動化(全体の60%)、新規施設のカーボンニュートラル化、航空分野における持続可能な航空燃料(SAF)への転換(全体の30%)、環境に配慮した輸送サービス(グリーンプロダクト)の強化を発表済み。日本でも「ミッション2050」の達成に向けた施策として、今年3月に電気トラックを導入するなど、近年は配送車両のEV化を加速させている。
(藤原秀行)