賃料10~15%割安水準目標、物価上昇局面でも借りやすく
新興物流施設デベロッパーのロジランドが、物流施設開発のエリアを拡大している。これまで開発案件を続けてきた首都圏や関西圏に加え、新たに中部圏や九州圏へ進出。手掛けてきたプロジェクトは進行中の物も含めて18に上っている。
ロジランドは2019年3月、日本通運やオリックスで数々の物流施設開発に携わってきた小山幸男代表取締役らが創業した。発足から3年でハイペースな開発となっている。今後も割安な賃料と使い勝手の良い仕様を売り物にして着実に実績を積み上げていくことを目指す。
ロジランドは4月21~22日、埼玉県羽生市で竣工した「LOGILAND羽生Ⅱ」のお披露目会でセミナーを開催、今後の物流施設開発の戦略などを説明した。
昨年10月に完成した羽生市の「LOGILAND羽生Ⅰ」(上)とこのほど竣工した「LOGILAND羽生Ⅱ」(ロジランド提供)
同社の物流施設開発ではこれまでに埼玉を中心に、6棟の物流施設が竣工。いずれも満床で稼働している。加えて、関西初の案件が大阪府東大阪市で今年6月に完成する見通しだ。
2022年以降、複数の案件を計画している。大阪府八尾市のエリアで府内2件目となる開発用地を取得。さらに、九州でも近年物流施設の開発が相次いでいる福岡県の小郡市エリアと筑紫野市エリアで各2棟の計4棟を計画している。
4大都市圏のうち、残る中部圏も愛知県小牧市のエリアで初めての案件を2棟計画している。ロジランドの小山代表取締役は、今後も最適地・適性賃料で関東・関西・中部・九州を中心に約5000~1万坪の中規模の開発を年間300億円程度手掛けていく方針を示している。
最近はeコマースの市場拡大などを受け、大規模なマルチテナント型物流施設のニーズが高まっていることを考慮。ロジランドでも数万坪規模の案件建設を準備している。
ロジランドの手法の特徴として、好立地のエリアで集中的に開発することが挙げられる。埼玉県の春日部市では全部で3棟、同じく埼玉県の羽生市は既に公表している3棟に加え、もう1棟の開発計画を進行中。羽生市についてはトータルで7棟程度開発できるめどが立っているという。
また、開発エリアの拡大と併せ、原材料高の高騰などで賃料上昇の可能性が高まっている状況の中、同社は開発用地の取得などでコストが膨れ上がらないよう工夫を凝らし、立地しているエリアの平均的な賃料より10~15%程度安く抑えるよう努めている。
小山代表取締役は「これから(建築資材高騰など事業の)環境が厳しくなる中、どれだけ創意工夫しながら適正な賃料と良いスペックの物をご提供していくか、できる限り努力して続けていきたい」と語った。
(藤原秀行)