IMF、19年の世界成長率予測を3・5%に下方修正

IMF、19年の世界成長率予測を3・5%に下方修正

貿易摩擦や中国経済減速の影響見込む

 国際通貨基金(IMF)は1月21日、世界経済の実質成長率予測を改定したと発表した。

 2019年は世界全体で3・5%と昨年10月時点から0・2ポイント下方修正した。米中両国間の貿易摩擦や中国経済の減速などが響くと分析。18年実績の3・7%(推定値)からもスピードダウンするとみている。20年は3・6%で、昨年10月の数値からやはり0・1ポイント引き下げた。

 米国、欧州(ユーロ圏)、中国はいずれも18年より成長が減速するとの見方を示した。IMFは「世界的な景気後退が間近にあるということを意味しないが、世界経済減速のリスクは確実に高まっている」と警鐘を鳴らした。

 日本は政府が消費税率引き上げに伴い検討している需要喚起策の効果で19年が1・1%と0・2ポイント上方修正。20年も0・2ポイント引き上げたものの、消費税増税が影響して0・5%にとどまるとの低成長シナリオを想定している。

 米国は19年が2・5%、20年が1・8%、中国は19年、20年がともに6・2%と見積もっており、いずれも昨年10月の段階で引き下げた数値を今回は維持した。ユーロ圏は19年が1・6%で0・3ポイント下方修正、20年は1・7%を据え置いた。

 世界経済の予想をめぐっては、世界銀行も1月8日に従来数値を引き下げており、英国のEU(欧州連合)離脱問題が不透明さを増していることなどもあって景気減速懸念が強まっている。

(藤原秀行)

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