(梅原 淳著・洋泉社)
国鉄分割民営化から30年余り。それぞれ違う道を歩んできたJR7社は人口減少という厳しい現実の下、次の30年でどう変化していくのか?そんな難題に回答を示そうと、気鋭の鉄道ジャーナリストが真正面から挑んだ。経営の窮状が伝えられる北海道や四国はもちろん、最大規模の東日本も不採算の東北地方を抱え、決して安泰ではないと警告。各社が生き残りを懸けて再編に突き進めば最大で地域13社まで増える可能性があるとの見方を示す。予想だけでなくJR貨物を含めて具体的な戦略も提言している意欲作だ。(2018年5月刊・1400円)
(藤原秀行)