ビジネス書評・本棚からひとつかみ『雑草はなぜそこに生えているのか』

ビジネス書評・本棚からひとつかみ『雑草はなぜそこに生えているのか』

(稲垣栄洋著・ちくまプリマー新書)

 「雑草魂」などと言われ、底力を持っているような印象が強い雑草。しかし、著者の農業研究者はそうした一般的なイメージと異なり、生存競争に弱い植物だからこそ生き残っていくためにオリジナリティー溢れる生き残り策に打って出ているのだと解説する。一例を挙げれば、道端に生い茂るのは他の植物が生きにくいところをあえて選んでいるのだという。種子を残して次世代につないでいくという目的を達成するために全精力を費やす姿こそが「本当の雑草魂」だと納得。明日からは身の回りの草たちがちょっと愛おしくなるかも?(2018年1月刊・840円)

(藤原秀行)

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