道路や河川などインフラ維持管理・更新、30年で最大194・6兆円

道路や河川などインフラ維持管理・更新、30年で最大194・6兆円

「予防保全」駆使し費用抑制可能と指摘・国交省試算

 国土交通省は1月23日、道路や河川など全国のインフラを維持管理・更新するための費用として、2019年度から30年間で最大194兆6000億円が必要になるとの試算を公表した。

 同日開催した社会資本整備審議会・交通政策審議会の社会資本メンテナンス戦略小委員会(委員長・家田仁政策研究大学院大教授)に関連資料を提出した。


社会資本メンテナンス戦略小委員会

 同省は試算に関し、各施設が老朽化してトラブルが生じる前に適宜修繕する「予防保全」を駆使することが前提と説明。問題が発生してから対応する「事後保全」より費用を最大で5割程度抑えられるとの見方を示した。

 ただ、それでも年間5兆~6兆円規模の費用がかかり続けるだけに、官民が連携して効率的な保全技術の開発などを急ぐことが求められる。

港湾は6兆~8兆円規模を見込む

 試算は国交省が所管している一般・高速道路や河川、ダム、下水道、空港、港湾、公園といった12分野のインフラを対象に、国と地方の管理分を合わせて行った。

 各分野合計では、年間費用が18年度推計の5・2兆円から20年後(38年度)には6・0兆~6・6兆円、30年度(48年度)には5・9兆~6・5兆円に膨張。30年間の累計で176・5兆~194・6兆円に達するとの見通しを示した。

 主要インフラ別に30年間の累計額を見ると、道路は71・6兆~76・1兆円、河川やダム、砂防、海岸が18・7兆~25・4兆円、下水道が37・9兆~38・4兆円、港湾が6・0兆~8・3兆円などとなっている。

 一方、事後保全を基本としたシナリオでは、30年間の全体累計が254・4兆~284・6兆円に膨れ上がる可能性を提示。予防保全に取り組むことで3~5割程度費用を抑制できると予測している。

 この日の小委員会会合で、国交省の増田博行技術総括審議官は「試算では予防保全を図ることでトータルコストが下がる姿が示されている。このことはわれわれ現場を預かる身として実感してはいたが、ある程度定量的に示されている」と意義を説明。家田委員長は「(試算を踏まえて)何を進めていくべきか、分野を超えて議論していただきたい」と委員に呼び掛けた。


小委員会で発言する増田氏

小委員会であいさつする家田氏

 国交省は併せて、予防保全を浸透させるため、関係者による各種セミナー開催やメンテナンスに関する新技術導入促進、PFI(民間資金を活用した社会資本整備)などに引き続き取り組んでいく方針を示した。

(藤原秀行)

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