25kmを約1時間、地上設備など課題を抽出
デジタル分野の人材育成に取り組むデジタルカレッジKAGA(石川県加賀市)は5月30日、長い滑走路を使わず、垂直離着陸が可能な「空飛ぶクルマ」の実用化に向け、石川県加賀市でパラモーターを用い、市街地上空を実際に人が飛行したルート検証を実施したと発表した。
今回の検証は加賀市の上空を25キロメートル、高度約100~200メートルを山間部の山中温泉から海岸の橋立漁港まで約1時間飛行。空飛ぶクルマの地上設備の必要性やルートの在り方など様々な課題を検証した。
パラモーターは非常に安全かつ静かで、場所を取らずに離着することができるため空飛ぶクルマの模擬ルートを検証するのに最適という。航空法上の規制を受けずに飛行できるため、上空5メートルの低空飛行や空中での静止も可能。市街地上空での飛行なども行える。
今回のルート検証で得た詳細な成果報告は、今夏以降に加賀市で行われる「空飛ぶモビリティシンポジウム」で公表する予定。
加賀市と空飛ぶクルマのイメージ
パラモーターによる飛行の抜粋動画(https://youtu.be/Orf4O3Jc9iI)
今回の飛行は1300年の歴史を持つ山中温泉の町の中にある野球グラウンドから離陸。山代温泉、大聖寺周辺、加賀温泉駅周辺を飛行し、橋立漁港にある小学校のグラウンドに着陸した。安全に最大限の配慮を行い、トラブルなく検証を完了した。
検証飛行に当たっては、加賀市、各観光協会、小松空港管制、自衛隊小松基地、石川県警察と連携。離発着時の風速・風向きなどに加え、飛行経路上を車両で伴走することにより、上空での挙動や市街地上空を飛行したときの地上からの見え方なども検証した。
(Google Earth)飛行ルート検証
検証ルートURL:https://earth.google.com/earth/d/1T_Pwdj7OgsgXcc2hm-iZYdHXIp5CxKX5?usp=sharing
加賀市と空飛ぶクルマのイメージ
(藤原秀行)※写真はいずれもデジタルカレッジKAGA提供