米アマゾン消費者部門トップのクラーク氏が辞任へ、物流の拡大路線修正か

米アマゾン消費者部門トップのクラーク氏が辞任へ、物流の拡大路線修正か

7月1日付、フルフィルメントセンター整備や輸送網構築に尽力

米アマゾン・ドット・コムは6月3日、消費者部門のトップを務めるデイブ・クラークCEO(最高経営責任者)が7月1日付で辞任すると発表した。

具体的な辞任の理由は明らかにしていない。グループ全体を統率するアンディ・ジャシーCEOは「過去数年間はわれわれの消費者向け事業の歴史の中で、直面した最も困難で予測不可能な事態だった。その間にデイブが果たしてくれたリーダーシップに感謝している」と表明。今後数週間以内に後継者の情報を開示するとの見通しを示した。

クラーク氏は1999年5月、アマゾンに入社。物流を担うフルフィルメントセンターの整備や輸送ネットワークの構築などに当たってきた。

クラーク氏は自身のツイッターアカウントで「私はアマゾンで信じられないような素敵な時間を過ごしてきたが、私自身を再構築する時がやってきた。(従業員に対し)23年間、毎日お客様のためにクールで素晴らしいものを生み出すことを非常に楽しいものにしてくれたことに感謝する」とコメントした。アマゾン退社後の具体的な予定については言及していない。

アマゾンは2022年1~3月期決算で、売上高は前年同期比7%増の1164億4400万ドル(約15兆1400億円)となったものの、伸び率は過去10年で最少にとどまった。同社が直営しているインターネット通販の売り上げは3%減。営業利益は輸送費や人件費の上昇で6割減となり、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う“巣ごもり需要”の伸びで業績を大きく拡大させてきたアマゾンの経営が新たな局面に差し掛かっていることを示唆した。

クラーク氏の交代は、これまでの物流の拡大路線が修正される契機となる可能性がある。


クラーク氏のツイート

(藤原秀行)

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