国交省が特殊車両の全長に関する規制緩和
国土交通省は1月29日、トラックドライバー不足に対応し、一度に多くの荷物を運べる「ダブル連結トラック」の普及を後押しするため、同日付で特殊車両の全長に関する規制を緩和した。
国交省は実証実験の結果を踏まえ、通常の大型トラックよりドライバー数を約5割、燃費やCO2の排出量も約4割減らせるとメリットを強調。同日から「新東名道を中心にダブル連結トラックの本格導入を図る」と説明している。
ダブル連結トラック(国交省中部地方整備局ウェブサイトより)
規制を緩和したのは特殊車両の通行許可基準。ダブル連結トラックを含むフルトレーラー連結車両の長さの上限を旧来の21メートルから25メートルに引き上げた。
走行の条件として、
・新東名道の海老名JCT(神奈川)~豊田東JCT(愛知)の間を主な経路とする
・車両にアンチロックブレーキシステムなどの装備を搭載する
・大型自動車免許の保有期間をはじめ一定の業務経験を持つドライバーが搭乗する
・危険物や動物を積んでいない
・追い越しや縦列走行をしない
・故障で路肩に駐車する場合は板状と点灯式の両方の警告機材を用いる
――ことなどを設定している。
国交省は今後の取り組みとして、高速道路のSAやPAで優先的にダブル連結トラックが駐車できる場所の整備を促進するほか、走行可能な路線の拡充なども検討すると説明している。
併せて、自動車運搬用のセミトレーラー連結車についても規制を見直し、一定の条件下で車を積載している際は後部からはみ出した部分を含めて車両の長さを最大18メートルまでとすることなどを新たに規定。1回の輸送で載せられる車の台数を増やすのが狙い。
(藤原秀行)