株保有比率92%に上昇、近く完全子会社に・国際物流成長目指す
近鉄グループホールディングス(GHD)は7月6日、持ち分法適用関連会社の近鉄エクスプレスに対して実施していたTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。
TOBは5月16日から7月5日まで実施。近鉄GHDの近鉄エクスプレス株式保有比率は以前の47.09%(間接保有分含む、議決権ベース)から92.12%に達し、7月12日付で近鉄エクスプレスは近鉄GHDの子会社となる。
株式取得額はスクイーズアウト(少数株主からの強制買い取り分)を合わせて約1680億円の見通しで、近鉄GHDは近鉄エクスプレスを完全子会社化する予定。近鉄エクスプレスは近く東京証券取引所への上場が廃止となる。
新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的流行)やロシアのウクライナ侵攻で国際物流の事業環境が激変する中、完全子会社化で近鉄GHDと近鉄エクスプレスの連携を深め、事業基盤を強化したい考え。
近鉄GHDとしては、主力事業の鉄道やレジャーがコロナ禍や少子化などの影響で大きな成長を見込みにくいため、国際物流を伸ばしていきたいとの狙いがある。
(藤原秀行)