首都圏の物流施設新規供給、19年第1四半期は過去最大級を予測

首都圏の物流施設新規供給、19年第1四半期は過去最大級を予測

CBRE四半期リポート(前編)

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 シービーアールイー(CBRE)は1月31日、三大都市圏における2018年第4四半期(10~12月)の大規模なマルチテナント型物流施設市場に関する動向調査結果を公表した。

 首都圏、近畿圏、中部圏がともに期末の平均空室率が前期(18年7~9月)から低下した一方、実質賃料はいずれのエリアでも上昇。需要の強さをうかがわせる内容となった。前編では首都圏の調査結果を紹介する。

 首都圏の調査対象は東京、千葉、埼玉、神奈川の1都3県を中心とした延べ床面積1万坪以上のマルチ型施設138棟。

 期末の平均空室率は4・8%で、前期比1・3ポイント低下し、15年第3四半期以来約3年ぶりの低い水準となった。新規需要が12万2000坪と四半期ベースでは04年の調査開始以降で過去2番目に多かったことが追い風になった。

 新規供給は3棟で計8万9000坪。このうち1棟は満室で完成を迎え、新築物件も順調に契約を獲得できた。

 坪当たりの実質賃料(共益費含む)は主要4エリアの全てで前期から上昇。全体の平均で0・2%アップし4150円に達した。

 19年第1四半期の新規供給は20万6000坪と四半期ベースで過去最大級になる見通しだ。CBREは「16~18年の四半期平均8万8000坪の約2・3倍に相当する規模」と指摘。大量供給の余波で空室率は5・5%程度まで上昇すると見込む。

 19年第2四半期(4~6月)の新規供給も現時点で10万坪程度が予定されているものの、リーシングが順調に進んでいるため、空室率は再び4・9%まで下がると展望している。


首都圏の需給バランス推移(CBRE資料より引用)※クリックで拡大

圏央道の空室率大幅低下は一時的現象か

 主要4エリア別の状況を見ていく。

【東京ベイエリア】

 空室率は前期比0・5ポイント下がって2・4%だった。新規供給がなかった上、既存物件で前期に生じた空室で次のテナントが確定したことが大きかった。

 実質賃料は0・4%上がって6770円。CBREは「引き締まった需給を背景に賃料は今後も上昇傾向が続く」との見方を示した。

【外環道エリア】

 空室率は0・7ポイント低下の0・8%。東京ベイエリアと同じく新規供給はなかった。CBREは「18年第1四半期に完成した1物件を除いて空室が全くない状況。来期(19年第1四半期)完成予定の物件も既に満床となっている」と指摘。その後については19年第2四半期も新規供給が計画されておらず、第3四半期に完成が計画されている3物件もテナントが確定しつつあるという。

 18年第4四半期の実質賃料は0・6%上がって4840円だった。

【国道16号エリア】

 空室率は18年第4四半期に工事が完了した1棟で空きスペースが残っていたことから、0・4ポイント上昇し2・5%となったが、既存物件の空室消化は順調に進んでいるという。

 19年第1四半期の新規供給は10万8000坪で、04年に調査をスタートして以降、四半期ベースで過去2番目の高水準となりそう。第2四半期も7万9000坪と予想されるが、既に複数の完成予定案件で満床になっているという。

 こうした情勢を受け、空室率は第2四半期に2・8%と小幅上昇にとどまるとみられる。18年第4四半期の実質賃料は0・2%プラスの4100円。

【圏央道エリア】

 空室率は6・8ポイント低下し14・4%で、15年第4四半期以来3年ぶりの低い水準。昨年末にかけてテナントが急速に決まったため、想定以上に空室率が改善した。

 CBREは「新規供給物件のリーシングは順調で、18年第4四半期に完成した2棟のうち1棟は満床で完成したほか、もう1棟も既に7割の床が埋まっている」と解説。既存物件もやはり空室の消化が進んだと分析している。

 実質賃料は0・9%アップして3300円。19年の新規供給は9万9000坪で、16年以降としては最も少ないという。ただ、隣接する国道16号エリアで大量供給が見込まれるため、CBREは「当エリアの空室率が今後も低下が続くことは想定しにくい」とみている。

(藤原秀行)

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