トランコムとシマント、物流センターの配送業務効率化へ配車計画自動作成システムを開発

トランコムとシマント、物流センターの配送業務効率化へ配車計画自動作成システムを開発

作業工数や作業員抑制、配送ミス削減など成果

トランコムとデータベース構築などを手掛けるシマントは7月25日、物流センターの配送業務効率化へ配車計画自動作成システム 「Bridge (ブリッジ)」を共同開発したと発表した。


物流センターの作業

物流センターで荷物の配送スケジュールやトラック車両の手配などを行う配車担当者は、膨大な荷物量とトラック車両台数などの条件を踏まえ、人間の判断で配車計画を取りまとめているが、積載率などの条件を満たした効率的な配送計画の作成は難しい上、トランコムがカバーする複数拠点からの出荷計画は、非常に複雑なため、配車担当者が最適な計画を立てられるようになるまでに、長期の経験を必要としていた。

配車業務に携わる人員と業務時間の削減に向け、配車計画自動化システムの開発に踏み切った。2022年4月からトランコムの物流センターで新システムの利用を開始。作業工数や必要作業員の抑制、配送ミスの削減などの成果が出ていることを確認した。

トランコムの物流センターでは、配車システムを利用していたが、既存のシステムでは対応できないケースが存在し、手作業を要していた。そこで配車業務のフローを調査し、手作業が発生している要因がデータベースの精度の低さにあり、その原因が「Excel形式の伝票データをデータベースに登録する作業の困難さ」だと突き止めた。


配車計画の課題

大量の伝票データを1つのデータベースに統合するには多くの作業時間が必要。加えて、精度の高いデータベースを維持するために「データを整えるための手作業」が生まれていた。「荷割(にわり)」「割り付け」といわれる「発送する荷物をトラックに割り当てる作業」を毎日数時間かけて行っていた。

課題の解決へ独自のデータマネジメント技術を持ち、柔軟なデータ管理が可能なDWH(データウェアハウス)を開発するシマントが多様な伝票データの登録作業を自動化。さらに、登録されたデータを活用して、荷割・割り付けなどの業務を高速に自動化する仕組みを開発した。


Bridgeの特徴1

複数の拠点に配送物が分かれて保管されている場合、どの拠点からどの荷物を積み込むのかを計画することは困難だった。トランコムの各物流センターのデータが整理されることで、拠点をまたぐ配送計画も自動で作成することが可能になった。また、物流センターの在庫を最適化することで、在庫量を調整するための輸送回数を削減し、複数の拠点をまたぐ配送の頻度を下げられるようになった。


Bridgeの特徴2

新システムにより、これまで数時間かかっていた割り付け作業を約10分に短縮し、配車作業に必要な人数を削減することで、より高度な作業に人員を配置できるようになった。


Bridgeの効果


Bridgeの操作画面(いずれもシマント提供)

(藤原秀行)

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