非常食セットなど空輸に成功
エアロネクスト子会社でドローン物流を手掛けるNEXT DELIVERYは9月5日、静岡県川根本町で9月2、3日の2日間にわたり、災害時の孤立集落へのドローン配送を想定した実証実験を行ったと発表した。
NEXT DELIVERYが川根本町孤立集落物資輸送実証業務委託に係る公募型プロポーザルとして採択され、実施した。
関係者の集合写真
防災祭りでドローン配送を見守る町民
ドローン配送された川根茶セットを子供たちに配るキャンプ場管理人
川根本町は今年7月時点の総人口が6014人で、静岡県の中央部に位置し、町域は大井川に沿った東西約23km、南北約40kmの南北に細長い形で、面積は496.72km²と県全体の6.4％を占めている。このうちの約90％が森林で、自然が多く町の中心地から離れた集落が散見され、高齢化に伴う買い物難民の課題を抱えている。また、有事の際に孤立してしまう可能性のある集落も多く、災害などで道路が遮断され交通手段がない場合の物資輸送も検討が必要となっている。
NEXT DERIVERYはこうした事情を踏まえ、ドローンで課題解決を目指すことにした。
メディア公開した9月2日は、防災祭りの中で出発式を開き、事業説明や実際のドローン配送のデモフライトを実施。防災祭り会場の役場本庁舎から河川敷（距離約800m、時間約3分）とキャンプ場（距離約550m、時間約2分）へ川根茶セット（重さ約2.1kg）を届ける2フライトを実施、成功した。
9月3日は防災訓練の一環で有事の際に孤立被害が想定される2つの集落（尾呂久保地区・距離約3.7km、時間約10分、壱町河内地区・距離約5.3km、時間約12分）で、非常食セット（重さ約1.7kg）をエアロネクストが開発した物流専用ドローン「AirTruck（エアトラック）」で空輸した。
（藤原秀行）※いずれもNEXT DELIVERY提供
