アマゾンジャパン、2022年中にも「置き配」と翌日配送を全国展開へ

アマゾンジャパン、2022年中にも「置き配」と翌日配送を全国展開へ

ラストワンマイル配送拠点18カ所を順次開設、ネットワーク強化

アマゾンジャパンは、2022年中にもインターネット通販の「置き配」と注文を受けてからの翌日配送を全国展開する準備を進めている。

22年中に、全国でDS(デリバリーステーション)と呼ぶ配送拠点を18カ所、順次開設する予定。自社で配送までカバーできる体制を整え、「置き配」や翌日配送が可能なエリアを広げていく計画だ。

DSは、ネット通販の商品を集積する物流拠点「フルフィルメントセンター(FC)」の下部施設と位置付けており、FCから出荷した商品をDSで発送先ごとに仕分ける。ラストワンマイル配送の重要拠点として運営している。

複数の関係筋によると、今回新設するDSは、現在はDSを置いていない青森や岩手、秋田、長野、愛媛、徳島、香川、高知、熊本、沖縄の10県と、既にDSを配置している東京、神奈川、埼玉、愛知の都市部の4都県。DSは全国でトータル45カ所程度に到達する見通し。

DSを新設する10県では順次、「置き配」や翌日配送を広げていく方針とみられる。DSには最新鋭の荷物仕分け設備などを導入、作業の生産性向上を図るほか、運送事業者と連携し。オートロックマンションでも置き配対応が可能なシステムの導入も進める。

アマゾンはFCに関しても、神奈川や埼玉などで新設を決めるなど、物流網の拡充を積極的に進めている。国内のオンライン通販は、新型コロナウイルスの感染拡大後の“巣ごもり需要”で利用が伸びてきたが、EC事業者などからは、ここに来て市場の成長ペースが鈍化してきたとの声も出ている。米国では主要メディアが、アマゾンが確保した物流施設に余剰感が出て、空いたスペースの転貸や賃貸面積縮小に動いていると報じている。

アマゾンの日本での物流拠点拡大は、サービス差別化で需要を引き続き獲得したいとのアマゾンの思惑があるようだ。

(藤原秀行)

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