「2024年問題」考慮、輸配送などバリューチェーン全体で業務効率化図る

「2024年問題」考慮、輸配送などバリューチェーン全体で業務効率化図る

アダストリア・林上席執行役員とアダストリア・ロジ・森シニアマネジャー、EC向けセンター自動化と併せて対応検討を表明

アダストリアの林正武上席執行役員ロジスティクス本部長と、グループの物流を担うアダストリア・ロジスティクスの森泰憲国内物流管理部シニアマネジャーは8月25日、茨城県茨城町のアダストリアグループ物流拠点「茨城西物流センター」をロジビズ・オンラインなどメディアに公開した後、同拠点内で記者会見した。

両氏は、同拠点内の自社EC物流センターでAGV(無人搬送ロボット)120台などの先進機器を導入、業務を大幅に効率化しようと取り組んでいることに関連し、アダストリアグループで展開している店舗向けの物流の領域でも物流センターの自動化・省力化を本格的に進めていくことに強い意欲を見せた。

また、トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」などを考慮し、物流センターの入出庫にとどまらず、製造から輸配送を含むバリューチェーン全体で自動化・業務効率化を図っていきたいとの考えを示した。


撮影に応じる林氏(右)と森氏

林氏は「われわれは昔から自社で物流をやっていて、在庫をいかに最適化し、効率的に配置、出荷していくかを自分たちで考えた方がいろんな体制もできると思っている。この後もそういう方針で臨んでいく」と説明。アダストリア・ロジスティクスを核に、外部の運送事業者らと連携しながら、主体的に物流の変革を進めていく姿勢を強調した。

また、「物流センターの中だけでなく、生産からお客様に届けるところまで、バリューチェーン全体でどう効率化するかに、引き続き取り組んでいきたい。2024年問題で配送の問題もいろいろ出てくる。いろんな観点でバリューチェーンの最適化を考えていきたい」と述べ、商品の生産体制や国際物流などでも効率化を推し進めていきたいとのスタンスを表明した。

茨城西物流センターのEC領域の全面リニューアルについては「丁寧な梱包やラッピングといったところにきっちり人を配置できるようにしていきたい。将来も見越している」と述べ、入出荷業務で省人化した分、従業員を別の工程に最適配置し、梱包などでECの差別化を図っていく方針を明らかにした。

森氏は「機械化でECは最大の出荷能力を上げるので、繁忙期でも(通常のリードタイムに)プラスの日数を取らずに出荷できる」とEC領域の機械化のメリットを強調。ECの成長に備え、茨城西物流センターでもロボット導入エリアを拡張できるようにしていることを明かした。

また、「通販が成長していく中で(物流機能が不足すると)お客様が商品を購入できない、購入できても商品が届かないという状況が起こり得るので、作業の能力を大きく上げていく」と表明した。

(藤原秀行)

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