ドライバーの心拍変動をリアルタイムに可視化、運転中のリスク軽減
スポーツ用ウェアラブルデバイスを手掛けるポラール・エレクトロ・ジャパンは9月1日、ウェアラブル心拍センサー「Polar Verity Sense(ポラール ヴェリティ センス)」に関し、日立物流が展開しているトラックなどの安全運行管理ソリューション「SSCV-Safety」でドライバーの体調を管理するデバイスとして採用したと発表した。
Polar Verity Senseは腕に装着するだけで心拍数を計測できる直径3センチメートルの軽量コンパクトなバンド型センサー。装着感が良く、ドライバーの運転の邪魔になることがないのがメリットという。
日立物流はよりドライバーの装着負荷が小さく高精度にデータ計測ができるデバイスを探していた。「Polar Verity Sense」が要件とマッチし、採用に踏み切った。新デバイスの導入で、今までのシステムでは行えなかったドライバーのリアルタイムの心拍数をより高精度で計測できるようになった。
「SSCV-Safety」はドライバーの体調と運行を見守り、運転事故につながる危険要因を検知し、未然に事故を防ぐことを目的とした安全運行管理ソリューション。ドライバーの運行前後および運行中の生体データと、ドライブレコーダや車両の挙動などから取得した運転データをAIで分析し、産官学連携により開発した事故リスク予測アルゴリズムとテクノロジーを組み合わせ、ドライバー自身では気づきにくい「疲労」や「ストレス」を可視化・通知することで事故を未然に防ぐ。
運転中の心拍数を常時取得し、SSCV-Safety独自のロジックで自律神経分析をした上で、自動蓄積された個人ごとの傾向値と乖離しているかどうかや運行開始タイミングと比較した日内での疲労度など、ドライバーの疲労・ストレスを総合的に評価し、グラフ表示にて可視化。異常時はドライバーに通知し、第三者の介入が必要なレベルの際は管理者にも連絡する。
これまでは運転前後での体温、血中酸素濃度、血圧、自律神経などの計測を行っていたが、今回このシステムに「Polar Verity Sense」を追加が導入されたことにより、装着負荷の極小化を図った上で精度高く運転中の心拍変動のモニタリングが可能となり、ドライバーの疲労やストレス状況をより正確に把握することができるようになったという。ポラールはさらなる事故防止につながると期待している。
(藤原秀行)※写真はいずれもポラール提供