年間のCO2排出量6割、ドライバー運転時間9割削減目指す
東京九州フェリーと日本郵便、佐川急便は9月8日、関東~九州間の幹線共同輸送を8月1日に開始したと発表した。国土交通省から物流総合効率化法の対象に認定された。
トラックを活用した宅配便輸送におけるCO2排出量削減や、長時間運行に起因するドライバーの労働負担削減のため、東京九州フェリーと佐川急便は2021年7月に関東~九州間のトラック長距離幹線輸送の一部を、神奈川・横須賀~福岡・新門司航路の海上輸送に切り替えるモーダルシフトをスタートした。
22年8月からは日本郵便も参画し、幹線輸送を共同化して一層の輸送効率化とCO2排出量の削減を図る。
日本郵便と佐川は共同輸送で積載率が向上と説明。加えて、トラックによる輸送をトレーラーおよびフェリー輸送に転換することで、両社のCO2排出量を年間205.6トン(約59%)、トラックドライバーの運転時間を年間6204時間(約90.7%)それぞれ削減することを目指す。
運用の概要(3社提供)
佐川が関東近郊で集荷した九州向け宅配便荷物を、佐川急便などが使っているSGホールディングスグループの大型物流拠点「Xフロンティア」(東京都江東区新砂)でセミトレーラーに積み込んだ後、近隣にある日本郵便の「新東京郵便局」(同)に立ち寄る。同郵便局では、日本郵便が関東近郊で引き受けた九州向け郵便物などをセミトレーラーに積み合わせ、横須賀港へ輸送。
シャーシのみフェリーに積載し、横須賀港から新門司港まで海上輸送する。新門司港に到着した後は日本郵便の「新福岡郵便局」(福岡市)に立ち寄り、郵便物などを荷降ろし、その後、佐川急便の「福岡センター」(福岡県粕屋町)に輸送、宅配便荷物を荷降ろしする。
新東京郵便局を出発
フェリーに積み込み
新福岡郵便局に到着(いずれも日本郵便)
(藤原秀行)