鴻池運輸は9月13日、インドで医療関連サービスを提供するグループ企業のCarna Medical Database Pvt. Ltd.(カルナ・メディカル・データベース、ハリヤナ州グルガオン市)が8月26日付でインドの保健・家庭福祉省食品安全基準局より食品卸売業免許を、8月29日付でインド・ハリヤナ州の食品・医薬品局より医療品卸売業免許をそれぞれ取得したと発表した。
カルナ社はメディアスホールディングスとの共同出資子会社。今回取得した医療品卸売業免許は医薬品や医療機器などの医療品、食品卸売業免許は主に健康食品の取り扱いを想定した食品の卸売事業をインド全土で可能にする。
カルナ社が日系企業に提供している医療・ヘルスケア分野の現地調査などのインド進出支援業務に加え、医療品および食品の商品卸売事業も担うことで、日系企業のインド市場における販路開拓・拡大支援を強化したい考え。
インドは人口や経済規模の飛躍的な拡大に加えて、富裕層や中間層の増大に伴い、医療業界の市場が拡大。一方で広大な国土に病院・医療機関約6万、医療・ヘルスケア分野の卸約60万が存在するとも言われる巨大市場の複雑なサプライチェーンや、多様な民族・言語・文化・制度などが存在する特異性が、同国市場で販路開拓・拡大を目指す日系企業の大きな課題となっている。
カルナ社は2013年の設立以来、インド医療業界の管理体制や流通インフラの課題解決に向けた医療材料や病院、医師のデータベース化をはじめ、鴻池運輸とともに参画した経済産業省や厚生労働省の委託事業、JICA(国際協力機構)の協力準備調査といった多くの取り組みを通じて蓄積した、インド医療業界に関する知見に加え、日本・インド両政府や医療関連機関と構築した良好な関係をベースに、日系企業のインド進出を支援してきた。
今後はカルナ社が窓口となり、医療・ヘルスケア分野の日系メーカー向けに、インド進出に向けた現地調査、日本からインドへの商品輸出、インド国内の物流に加え、サプライチェーンに全体に関わる一貫サービスを展開する計画。
■カルナ社の概要
商号 | Carna Medical Database Pvt. Ltd. | ||
代表者 | 代表取締役 大谷 英輝 | 会社設立 | 2013年(平成25年)11月13日 |
本社 | Unit 518, 5th Floor MGF Metropolis Mall, MG Road, Gurgaon, Haryana, India | ||
資本金 | 2億インドルピー(当社70%、メディアスホールディングス30%)(2022年3月31日現在) | 従業員数 | 11名 (2022年8月31日現在) |
事業内容 | 医療材料データベースの構築と配信、物流ネットワークの構築、データベースを活用した コンサルタント事業、インド在住者向け健康サポートサービス「Carna Health Support Club」 |
(藤原秀行)