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「運輸・倉庫」、100円コスト上昇しても運賃・料金転嫁は17.7円のみ

「運輸・倉庫」、100円コスト上昇しても運賃・料金転嫁は17.7円のみ

帝国データ調査、「全くできていない」3割弱に

帝国データバンク(TDB)は9月15日、企業がコスト上昇分をどの程度価格転嫁できているかに関する実態のアンケート調査結果を公表した。同様の調査は6月に続いて2回目。

自社の主な商品・サービスでコスト上昇分を販売価格やサービス料金に「多少なりとも転嫁できている」企業は70.6%だった。一方、「全く価格転嫁できていない」企業も2割弱存在した。

実際にどの程度転嫁できているか表す「価格転嫁率」は全体で4割未満にとどまった。TDBはコストが100円上昇した場合、36.6円しか販売価格に反映できていないことを示していると指摘。中でも、「ソフト受託開発」などを含む「情報サービス」や「一般貨物自動車運送」などを含む「運輸・倉庫」の価格転嫁率が低水準にとどまった。

これまでの政府の物価高騰対策については「大いに効果を実感している」「ある程度効果を実感している」を合わせて1割程度だった半面、「あまり効果を実感していない」「ほとんど効果を実感していない」で7割を超え、政府に対する不満が強いことをうかがわせた。

アンケートは9月9~13日、インターネットを通じて行い、有効回答企業数は1649社で、このうち「運輸・倉庫」は93社だった。

「運送会社への直接的な燃料対策を」の声も

自社の主な商品・サービスにおいて、コストの上昇分を販売価格やサービス料金にどの程度転嫁できているか尋ねたところ「すべて価格転嫁できている」企業は 2.3%、「8割以上できている」企業は11.7%、「5割以上8割未満できている」は16.7%となった。「全く価格転嫁できていない」企業は18.1%だった。

「運輸・倉庫」については、転嫁が「2割未満できている」が最も多く43.0%で、「全く価格転嫁できていない」が26.9%、「2割以上5割未満できている」が19.4%と続いた。「すべて価格転嫁できている」は1.1%だった。

業種別の価格転嫁率を見ると、「建材・家具、窯業・土石製品卸売」は53.1%で、全体平均の36.6%を16.5ポイント上回っており、「機械・器具卸売」(50.9%)とともにコストの上昇分に対して半分以上販売価格に反映できている。「飲食料品卸売」も48.3%と転嫁が比較的進んでいる。

一方で、「ソフト受託開発」などを含む「情報サービス」の価格転嫁率は14.4%と全体平均を22.2ポイント下回った。原油価格の高騰の影響を受けているトラック運送などを含む「運輸・倉庫」も17.7%で価格転嫁が進んでいない。「運輸・倉庫」は100円コストが上がっても、運賃や料金には17.7円しか転嫁できていないことになる。

「運輸・倉庫」の企業からは「運賃交渉を継続中。業界内には積極的な値上げ交渉をすることによる荷主離れを懸念して値上げが進んでいないと考えている」(一般貨物自動車運送)といった意見が聞かれた。

これまでの政府の物価高騰対策の効果については、「大いに効果を実感している」が0.7%、「ある程度効果を実感している」が11.1%、「あまり効果を実感していない」は38.9%、「ほとんど効果を実感していない」は34.3%だった。「運送業は何もかも値上がりし、価格転嫁を要望してもほとんど転嫁できずにいる。運送会社への直接的な燃料対策を実施してほしい」(一般貨物自動車運送)との切実な声もあった。

(藤原秀行)

調査結果はコチラから

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