物流施設の旺盛な需要など寄与か、東京圏はプラス3.7%に
国土交通省が9月20日発表した2022年の都道府県地価調査(基準地価、1平方メートル当たり、7月1日時点)は、全国の全用途平均が前年同期から0.3%上昇した。プラスとなったのは19年調査以来、3年ぶり。
新型コロナウイルスの感染拡大で飲食店や商業施設、ホテル、旅行業の売り上げが落ち込んだものの、その後は経済活動の正常化が進んだため、住宅地と商業地がともに上昇へ転じた。
工業地は3大都市圏、地方のいずれもプラスを維持し、全体では1.7%上昇と6年連続で前年の水準を上回った。地価の上昇幅は21年(0.8%)から拡大した。物流施設の需要が旺盛ななことなどが引き続き、工業地の上昇に寄与しているとみられる。
用途別の全国平均は住宅地が0.1%上昇し、20年のマイナス0.5%からプラス基調に転換。商業地も20年のマイナス0・2%からプラス0.1%になった。
工業地を地域別で見ると、東京圏(調査地点125カ所)は20年のプラス2.3%からプラス3.7%、大阪圏(66カ所)はプラス1.7%からプラス3.3%、名古屋圏(37カ所)はプラス1.2%からプラス2.1%にそれぞれ大きく伸びた。
地方圏全体(618カ所)でもプラス0.4%からプラス1.1%になった。特に札幌、仙台、広島、福岡の地方4市(9カ所)はプラス7.4%からプラス10.3%へ大きく上がった。
(藤原秀行)