排出ガス性能が基準満たさず、トータルで7種類に
国土交通省は9月22日、エンジンの排出ガスや燃費の性能に関する認証で不正行為を長年続けていた日野自動車について、道路運送車両法に基づき、新たに排出ガスの性能が基準を満たしていないエンジン4種類の型式指定を同日付で取り消すと発表した。
取り消しの対象は大型トラック・バス用エンジン1種類と、建設機械など産業用エンジン3種類。大型エンジンはいすゞ自動車がバスに使っており、同社に対しても型式指定取り消しの処分を科した。
日野自動車に関しては、既に3月、燃費の基準を満たしていないエンジンも型式指定を取り消されており、これで取り消されたエンジンは計7種類に上った。
型式指定がないと車両の量産が不可能となる。型式指定を再度取得するには、排出ガスや燃費の性能が法定の基準を満たしていることを証明するため実験を重ねる必要があり、最低でも数カ月を要するとみられる。日野自動車が主要車種の生産を本格的に再開できるのは2023年にずれ込む公算が大きい。
日野自動車は同日、「本年3月の型式指定取り消し、および9月の是正命令に続き、3回目となる行政処分を受けたことを大変重く受け止めるとともに、人流や物流という社会インフラに関わる立場でありながら、長きにわたる不正行為により関連法令違反を行い、全てのステークホルダーの信頼を裏切り、多大なご迷惑をお掛けしておりますことを改めて深くおわびいたします」とのコメントを発表した。
(藤原秀行)