管制官の指示に「ナンバーワン」使わず、誤解防ぐ
国土交通省は1月9日、羽田空港で発生した日本航空(JAL)機と海上保安庁の機体が衝突、炎上した事故を受け、緊急の安全対策を取りまとめた。
管制官による監視対策の強化、滑走路に航空機が進入するルールの徹底、関係者間のコミュニケーション強化などを列挙。羽田空港と合わせて、成田や関西、大阪伊丹、新千歳、福岡、那覇、中部の主要空港についても適宜実施する計画を示した。対策は既に羽田空港で実施したものも含めている。
具体策として、滑走路へ機体が誤って進入しないかレーダーを常時監視する担当者を配置し、トラブルを事前に防げるようにするほか、滑走路に機体が進入する手前の停止位置を示す標識を認識しやすくする色を塗ることや、管制官からパイロットへの指示をより明確にすることなどを打ち出している。
常時監視の担当者は、レーダーを設置している成田、中部、伊丹、関西、福岡、那覇でも順次、人員を置く。
管制官からの指示については、航空機の離陸順序を示す「ナンバーワン」などの言葉を使わないようにする。今回の事故で、管制官がパイロットとの交信の際に言及した「ナンバーワン」という表現を、海保機が離陸許可と誤認した可能性が浮上しているのを考慮した。
また、管制官とパイロットの交信に関する緊急会議を1月中に開催し、羽田空港で関係者がより円滑かつ正確に意思疎通できる体制を検討する。新千歳や成田など他の主要空港でも順次開催する予定と説明している。
(藤原秀行)