IATA見通し、スペース不足続けば運賃3割上昇と試算
世界の主要航空会社が加盟している国際航空運送協会(IATA)は6月9日、新型コロナウイルスの感染拡大が航空業界の収益に及ぼす影響を公表した。
2020年は感染拡大で旅客需要が19年から半減するとみており、航空会社の売上高も5割減の4190億ドル(約44兆8300億円)、最終損益は843億ドル(約9兆円)の赤字に陥ると予想している。21年も改善はするものの、158億ドル(約1兆6900億円)の赤字が残るとの前提だ。
IATAのアレクサンドル・ド・ジュニアック事務総長は「20年は航空史上最悪の年になる。平均して1日に2億3000万ドル(約246億1000万円)ずつ損失が膨らんでいる」と悲観的な声明を発表、今後の需要回復に期待を寄せた。
一方、20年の貨物輸送に関しては19年から輸送量が103万トン減の5100万トンを見込む。旅客便の相次ぐ運休・減便で貨物輸送スペースが不足している状態が今後も続けば運賃が約30%上昇するとみており、貨物輸送の収益は19年から8%増の1108億ドル(約11兆8600億円)と過去最高に達すると予測している。
(藤原秀行)