「イオン風」で推進し騒音抑制、将来は荷物輸送での活用を想定
米国でドローン開発を手掛けるスタートアップのUndefined Technologies(アンディファインド・テクノロジーズ)は9月15日、eVTOL(電動垂直離着陸機)のドローン「Silent Ventus(サイレント・ヴェントス)」のプロトタイプが屋外飛行テストに成功したと発表した。
サイレント・ヴェントスは空気中に含まれる酸素と窒素の分子を使って「イオン風」を発生させることで推進力を得て、機体を希望する方向に進める仕組みのため、プロペラがないのが特徴だ。テストでは4分半、発する音は75デシベル以下に抑えて飛行することができた。今年2月に屋内でテスト飛行を実施した際は2分半、騒音レベルは85デシベルだったという。
同社はサイレント・ヴェントスで荷物を配送することを想定。2023年末までに騒音レベルが70デシベル未満で15分間の飛行ができるようにすることを目指している。24年には製造に着手したい考え。今後は実際に貨物を搭載し、騒音を抑制できるかどうかを見極める段階に進むとみられる。
サイレント・ヴェントスのプロトタイプ(アンディファインド・テクノロジーズ ウェブサイトより引用)
(藤原秀行)