温室効果ガス削減の取り組み支援が目的
商船三井は10月7日、大島造船所と中心に共同開発した、風力を船の推進力として活用するウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)を搭載した世界初のばら積み船「松風丸(しょうふうまる)」の建造資金として、トランジション・リンク・ローン(TLL)による調達契約を三井住友銀行と結んだと発表した。
TLLは気候変動への対策を検討している企業が、脱炭素社会の実現に向けて、長期的な戦略に則った温室効果ガス削減の取り組みを行っている場合に、その取り組みを支援することを目的とした金融手法。商船三井のTLLによる資金調達は、LNG燃料供給船「Gas Vitality」に続き2件目。
同社は「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」で掲げた目標をサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲットとして設定するトランジション・ファイナンス・フレームワークを策定。その適格性については、以下①~④全ての基準に準拠する旨、「DNVビジネス・アシュアランス・ジャパン」による第三者評価を取得している。
① 国際資本市場協会(ICMA)
「クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック」
② 金融庁、経済産業省、環境省
「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」
③ 国際ローン市場協会(LMA)他
「サステナビリティ・リンク・ローン原則」
④ 環境省
「サステナビリティ・リンク・ローンガイドライン」
ウインドチャレンジャーは1本搭載することで従来の同型船に比べおおよそ5~8%の温室効果ガス排出削減効果が見込める。同社グループはウインドチャレンジャーを搭載する2隻目のばら積み船の建造が決定済み。
【本船概要】
船主・運航会社 | 商船三井 |
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全長/全幅 | 約235メートル/約43メートル |
載貨重量 | 100,422トン |
建造造船所 | 大島造船所 |
船籍/船籍港 | 日本/能代港 |
ウインドチャレンジャー仕様 | 高さ:最大約53m(4段式) 幅:約15m 帆の材質:繊維強化プラスチック |
(藤原秀行)