中央大研究室や国際航業など参加の研究会がデモ公開
中央大学の手計(てばかり)太一理工学部教授研究室と国際航業、東京都、中野区の4者が参加している「TOKYOドローンウェイ研究会」は10月24日、東京都中野区弥生町で、ドローンを都市部の物流や河川点検などに活用するため、神田川の水面上低空を安全に飛行する実証実験のデモフライトを公開した。
デモフライトは米Skydio(スカイディオ)製の小型ドローン「Skydio2」を使い、神田川の富士見橋と和田見橋の間約200mの区間で、川の水面から高さ10m程度の空域を繰り返し飛行。デモは近隣の東京都立富士高校の生徒約30人も見守った。
実験に使った小型ドローン
水面から高さ約10mを飛ぶドローン
デモフライトは高校生たちが見守った
実証実験は国土交通省の事業「河川上空を活用したドローン物流の更なる活性化に向けた実証実験」の採択を受けて実施。政府が今年12月にも、人口密集地上空でドローンが補助者を置かずに目視外飛行する「レベル4」を解禁する準備を進めていることを踏まえ、将来のドローン物流普及を前に、川の上空を安全なドローン物流のルートとして活用できるかどうかを見極める狙いがある。
実験は併せて、ドローンに搭載したカメラで河川の護岸や周辺の電線、樹木などを空中から撮影し、詳細な3Dデータを作成した。
デモ終了後、実証実験の参加者らが都立富士高校で実証実験の成果と課題などを説明。3Dデータはドローンによる物流や河川点検などに使う際、安全飛行のための高度・航路の検討に生かせる可能性があるとの見方を示した。
同研究会は今後、実際にドローンを使って都市部で荷物を運ぶといった実証実験を重ね、成果と課題を踏まえて国土交通省などと早期の実用化に取り組む構え。
高校生に実証実験の意義などを説明する手計教授
(藤原秀行)