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【独自取材】AI活用した独自商品情報データベース作成のLazuli、物流業界への利用働き掛けに注力

【独自取材】AI活用した独自商品情報データベース作成のLazuli、物流業界への利用働き掛けに注力

業界超えて共用可能に、トラックの積載率向上などへの応用見込む

AIを活用した商品の基本情報(マスター)データベース開発・提供を手掛けるスタートアップ企業のLazuli(ラズリ、東京都文京区小石川)は、物流業界への利用働き掛けに注力している。

Lazuliは独自に収集した多様な商品のデータと各企業が保有している商品データに関して表記の揺れや情報の重複などを調整、利用できるデータへと“正規化”している。このデータに段ボールのサイズといった物流関連の情報をひも付ければ、トラックの積載率向上などにつなげられると想定。メーカーから卸・小売業まで一貫して同じ商品データを使えるようにすることを目指している。

Lazuliの萩原静厳CEO(最高経営責任者)は「商品が製造、流通、販売される一連の過程で、企業間、あるいは同一企業内ですら商品に関するデータはスムーズに同期されていない。これがDX(デジタルトランスフォーメーション)を阻害している大きな要因の1つと考えており、ビジネスに携わる人が容易に商品の情報にアクセスできるSaaS型クラウド商品マスターを開発・提供していきたい」と強調している。

Lazuliの商品マスターデータベースを使ったソリューションは既に卸や小売り、メーカーの業界で注目度が高まっており、実際に利用するケースも増えている。Lazuliは物流業界も巻き込んだ形で商品マスターデータベースの展開をより拡大していくことを目指している。

庫内の効率保管も可能と見込む

Lazuliの商品マスターデータベース「NINJA DB」に格納している商品データは昨年時点で約2700万件に上り、一企業が独自に構築した商品データベースとしては出色の規模となっている。

LazuliはNINJA DBに登録しているデータを活用したソリューションを続々と開発している。今年6月には多様な医薬品などのマスターデータを自動で名寄せし、個々の製品の活用実績などを迅速に収集・分析できるようサポートする製薬業界向けサービス「Lazuli PDP for Pharma」を提供する方針を発表。さらに8月には食品・飲料業界向けに同様のサービス「Lazuli PDP for F&B」の提供をスタートした。

データの名寄せはこれまで各企業が手作業で行っているのが一般的だったが、もともと使い勝手が良いよう整理されているLazuliの商品マスターデータベースを駆使することにより、大幅な負荷軽減につながると想定。個々の商品データに特徴を細かく付与すれば、より魅力ある商品開発や効果的な販売促進が可能になると予想している。



「Lazuli PDP for F&B」の概要(Lazuli提供)

Lazuliは物流業界にとっても、こうした独自の商品マスターデータベースを活用する余地が大きいと想定。例えば、個々の商品の段ボールサイズや重量、荷姿といった項目をメーカーと物流事業者が共有できるようになれば、トラックへの最も効率の良い積載方法を考案したり、庫内でより効率的に保管したりすることが可能になると見込む。

萩原CEOは「現状はせっかくのデジタルデータを人力でやり取りしている場面がまだ残っている。企業の中でクリティカルに商品データを管理できている人がなかなかいない。既存の物流会社と卸・小売り企業がそれぞれ扱っているシステムを通じて情報をうまく同期すれば、大幅な物流業務の効率化につなげられる」と期待をのぞかせている。既に倉庫運営会社から問い合わせが寄せられるなど、物流業界からも関心を集めており、Lazuliは物流業界が活用できる仕組みの構築を検討している。

(藤原秀行)

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