国交省がサプライチェーン確立の実証実験
国土交通省は11月1日、CO2排出量削減効果の高いSAF(持続可能な航空燃料、Sustainable Aviation Fuel)の原料(ニートSAF)を輸入した上で、国内でジェット燃料と混合し、航空機に給油する一連のサプライチェーンを構築するための実証事業を行うと発表した。
SAFはバイオマス原料などを基に製造されたジェット燃料で、通常の燃料と比べて約8割のCO2削減効果がある。SAFはジェット燃料と混合して使うが、ニートSAFは混合前の状態で、混合後のSAFと比べて輸送時の物量が少なくなるため、コストや輸送に伴うCO2排出の低減が見込まれる。
今回の実証事業は日本で初めての取り組みとなる。伊藤忠商事などが参加する。
輸入ニートSAFは日本でまだ使用実績がない。実証事業は実際にフィンランドの工場で生産されたネステ社のニートSAFを輸入し、国内の製油所でジェット燃料と混合し、中部国際空港に輸送した上で航空機に使用。SAFのサプライチェーンの実証を図る。
日本の各航空会社は2030年に燃料使用量の10%をSAFに置き換えることを目標に設定している。中部国際空港を拠点としている飛行検査機もSAFを用いることで、航空局における脱炭素化を進めていく方針。
【実証事業概要】
目的:ニートSAFを輸入し、国内でジェット燃料との混合を行い、空港まで輸送し、最終的に機体
に給油するまでのサプライチェーンを実証。
検証項目:保税管理、経済合理性、混合に際しての品質保証などを検証。
使用ニートSAF:ネステ社(フィンランド)のニートSAF。ニートSAFの数量は5kl(予定)。
使用機材: 航空局所有の飛行検査機(CJ4型5機、C700型1機)
(国交省報道発表資料より引用)
(藤原秀行)