キヤノンITSが20年稼働予定で西東京データセンターに新棟建設

キヤノンITSが20年稼働予定で西東京データセンターに新棟建設

国内最高水準の施設でクラウドなどストック型サービスを拡大

キヤノンマーケティングジャパン(MJ)とキヤノンITソリューションズ(ITS)は2月19日、東京・西東京市で保有・運営する「西東京データセンター」の敷地内に新棟を建設すると発表した。投資額は明らかにしていないが既存棟とほぼ同額の150億円規模とみられる。

国内最高水準の設備・機能・規格と世界レベルのオペレーション品質を結集して、今後も市場の成長が見込まれるIT分野でデータセンターサービスやクラウドサービス、運用・保守サービスなどストック型ビジネスの拡大を図る。今年3月1日より建設工事に着手し、2020年夏の稼働開始を予定している。

キヤノンITSは売上高を19~21年の中期経営計画で2300億円、また21~25年にわたる次期長期経営構想では3000億円を目標に掲げる。

キヤノンITSの足立正親社長(キヤノンMJ取締役兼務)は同日行われた記者会見で「国内市場では企業の成長に向けた“攻めのIT投資”が拡大していく。中でもIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、ビッグデータなどへの対応からデータセンターは年率平均8.5%の伸びが見込まれる。新棟建設は売上高3000億円の達成に向けた一つのステップ」と語り、今回の設備投資が中長期的な事業戦略において鍵となることを示唆した。

新棟は鉄骨造、地下2階・地上3階建て、延べ床面積1万7107平方メートル。収容ラック数は最大2880ラック、受電能力は25MVA、BCPオフィスフロアは1500平方メートルで、12年から稼働している既存棟と比べてそれぞれ1.25倍、1.7倍、2.3倍に引き上げる。

既存棟と同様に免震構造、72時間対応の自家発電設備、2系統の電力・通信回線などを備え、自然災害や感染病流行といった不測の事態が発生しても事業を継続できる仕様は日本データセンター協会(JDCC)の「データセンター ファシリティ スタンダード」で最高位となる「ティア4」に準拠。

加えて東京駅から21キロメートル、新宿駅からは15キロメートルとアクセス性に優れるほか、建設地は東京都内で最も地震危険度が低い武蔵野台地のほぼ中央に位置。付近に大規模河川もないため自然災害リスクを受けにくい点も特徴だ。

運営品質では既存棟における停電など200以上のトラブルシナリオに基づく訓練の毎週実施、24時間365日体制の有人監視やICカードと静脈認証による本人確認、3Dボディースキャナーによるチェックをはじめとする情報資産保護に向けた盤石なセキュリティー対策が評価され、国内外の第三者機関から安全性・信頼性に関する各種国際規格の認定を取得している。新棟でもこれら蓄積した知見とノウハウを反映・活用する。

キヤノンITSの笹部幸博取締役は新棟建設と今後の事業戦略について「既存棟もほぼ満床のめどが付いた。新棟では効率を追求したレイアウト設計と最新設備の導入によって面積当たりの能力を高める。西東京データセンターを中核にグループで保有する画像認識やAIなどの技術を組み合わせ、お客さまに最適なITインフラ基盤を提供することでデジタルビジネスの実現を強力にサポートしていきたい」と展望。また対象顧客を中小企業や新規分野に拡大し、コスト負担と業務影響を最小限に抑えたITアウトソーシングの提供にも意欲を見せた。

(鳥羽俊一)


足立正親社長

笹部幸博取締役

記念撮影に応じる足立社長(右)と笹部取締役

新棟の完成予想図 出所:キヤノンITソリューションズ提供

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