3棟構成キャンバス型の1期目、24年5月竣工見込む
ESRは11月9日、大阪市でデータセンター「ESR コスモスクエア OS1」の工事を本格的に開始したと発表した。
ESRグループ全体で初となるデータセンタープロジェクト。合計で最大98MWのIT電力容量を備えた3棟構成のキャンバス型データセンターを計画している。
10月1日に着工した1期目の「OS1」はIT電力容量19.2MWで、2024年5月末の竣工を見込む。2期目(OS2)、3期目(OS3)も計画地内で順次開発に着手する。
「ESR コスモスクエア OS1」完成イメージ
「ESR コスモスクエア」は日本の主要なインターネットエクスチェンジがある大阪市中心部から10km 圏内に位置。周辺には多くのクラウドネットワークへの接続拠点、通信事業者、大手IT企業などが集積し、ハイパースケーラーの拠点も増加しているため、データセンター需要が今後も成⾧するとみている。
「OS1」は設計上の柔軟性と設備の拡張性を備え、顧客の需要に応じてデータホールと呼ばれる専用区画から、1棟もしくはOS2・OS3を含めた複数棟での提供が可能。大手クラウドサービスプロバイダーを含む、いわゆるハイパースケーラーやコロケーション向けデータセンター事業者まで、顧客の多様なニーズに対応できると見込む。
「ESR コスモスクエア」3棟完成イメージ (手前:OS1、左奥:OS2、右奥:OS3)
「OS1」はLEEDゴールド認証取得を目指した建築計画を進めており、高効率の冷却システムを採用して効率的なエネルギー利用、再生可能エネルギー活用によるグリーン化、省エネのデジタル機器の採用など、CO2排出量削減にも積極的に取り組む。
ESR グループでは、「OS1」と東京「ESR TK1 データセンター」のほか、香港、ソウル、シドニー、ムンバイ、シンガポールの主要なデータセンター集積地で、IT電力容量合計300MWの計8つのデータセンタープロジェクトを進めている。
データセンター市場の急速な成⾧に対応するため、今年7月にはESRグループ初のデータセンター事業に特化したファンド「ESR データセンター・ファンド 1」を組成、出資コミットメント総額10億ドル(約1360億円)で1次募集を完了した。
< ESR コスモスクエア OS1 概要 >
■所在地:大阪府大阪市住之江区
■敷地面積:8,146 ㎡(2,446 坪)
■IT電力容量:19.2MW
■着工:2022年10月1日
■竣工・サービス開始:2024年5月
データセンターの機密性および情報セキュリティの観点から、所在地・延床面積・規模・総投資額・入居企業名などの詳細は非公開。
(藤原秀行)※写真はいずれもESR提供