4月1日付で山内雅喜社長は会長、木川眞会長は取締役に
ヤマトホールディングス(HD)は2月21日、次期社長に長尾裕取締役(ヤマト運輸社長)が昇格するトップ人事を発表した。山内雅喜社長は代表権のない会長、木川眞会長は取締役に就くほか、副社長には芝﨑健一専務を充てる。いずれも4月1日付。
記者会見で山内氏は社長交代について「当社は今年で創立100周年を迎える。次の100年に向かってトップギアで持続的に成長していくためには、新たな経営計画を策定するタイミングで交代するのが妥当と判断した」と説明。
また長尾氏を後任に選んだ理由として「現場にとても精通しておりヤマトの精神、DNAをしっかり持っている」「既存の考え方に捉われず新しい発想、構想力でいろいろなものをつくり出して実行する能力がある」の2点を大きなポイントに挙げた。
長尾氏は今の心境を「100周年を迎える節目のタイミングで社長のバトンを受け取ったことの重み、これからのヤマトグループを牽引していくことに対する責任の大きさを痛切に感じている」と表現。
山内氏が先頭に立って進めてきた事業構造改革を現中期経営計画で完結させるとともに、顧客へのさらなる付加価値提供と信頼獲得に向けて新たな成長戦略を打ち出していくとの考えを示した。
また人手不足など物流業界を取り巻く環境はより厳しくなっていると指摘する一方、山内氏とともに取り組んできた事業構造改革の効果がかなり出てきていると分析。その上で「引き続き良いサービスが提供できるような新しい形の事業形態を模索する必要がある。省人化・効率化など新しい技術も取り込みながら早く具現化したい。宅急便ビジネスのリソースを活用しながら新しい領域へいかに踏み出していくかも課題」とした。
(鳥羽俊一)
記者会見に臨む山内雅喜社長(右)と長尾裕取締役