日本通運、新経営計画で23年度に営業利益1000億円目指す

日本通運、新経営計画で23年度に営業利益1000億円目指す

航空・海上フォワーディング強化、医薬品対応拡充など明示

 日本通運は2月22日、2019~23年度の5年間を対象とする新たな経営計画「日通グループ経営計画2023~非連続な成長“Dynamic Growth”~」を発表した。

 将来の目指すべき姿として「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」を設定。創立100周年を迎える37年までを念頭に置いて成長基盤を確立する長期ビジョンに基づき、対象期間中にコア事業の成長と日本事業の強靭化を並行して推進するとの基本戦略を明示した。

 具体策として、航空・海外両面でフォワーディング事業の取り扱い量拡大、中国国内物流事業の強化、医薬品への対応拡充、重機建設や警備輸送などの専門事業の収益力向上といった諸施策を盛り込んだ。

 各施策を確実に実行し、最終年度の23年度(24年3月期)に連結売上高を18年度実績見込みの2兆1500億円から約12%増の2兆4000億円、営業利益を770億円から約30%増の1000億円とすることなどを目指す。海外売上高は6000億円を目標としている。


長期ビジョンを含めた成長イメージ(日本通運資料より引用)※クリックで拡大


グループの経営目標(日本通運資料より引用)※クリックで拡大

37年度に売上高3・5兆~4兆円、海外で5割をイメージ

 新たな経営目標として、従来のROA(純資産利益率)に代わりROE(自己資本利益率)を採用。23年度に10%まで高めたい考えだ。ESG(環境・社会・企業統治)を重視した経営確立へグローバル規模でガバナンスを進化させるため、計画期間中に持ち株会社制へ移行することを検討する。

 また、長期ビジョンでは、グループの売上高を10年度の28年度に3兆円、37年度には3・5兆~4兆円まで積み上げる姿をイメージしており、37年度は海外売上高比率を50%まで高めることを盛り込んでいる。

 東京都内の本社で同日開いたメディア向け説明会で、同社の齋藤充社長は「全てのステークホルダーに新しい日通グループの姿をできる限り早くお見せしたい」との決意を表明した。

将来の「200万TEU・200万トン」視野に

 新計画は顧客(産業)、事業、エリアの3つの軸ごとに成長戦略を明確化した上で、日本国内の物流事業で培った顧客基盤や事業をグローバル規模で伸ばしていくとのシナリオを想定。海外企業のM&Aや先進技術の活用などを推進していく姿勢も打ち出した。

 顧客(産業)の軸では、医薬品、アパレル、自動車、電機・電子産業、半導体の重点5分野ごとに最適な物流サービスを提供できる基礎を構築。医薬品の適正な流通に関する基準「GDP」に準拠した物流の提供などを推し進める。

 事業の軸は、フォワーディングで航空に加えて海上輸送もより重視し、輸送スペースの仕入れ力強化、業務のデジタル化促進などを図る。21年度には海上輸送を18年度実績見込みから約5割増の100万TEU(20フィート標準コンテナ換算)、航空輸送も約3割増の120万トンまで高める構え。37年に向けて海上輸送は200万TEU、航空輸送は200万トンに引き上げることを視野に入れている。

 エリアの軸は、米州は自動車や医薬品、生鮮品などの取り組み強化、日系企業の顧客獲得といった事項に注力。東アジアは中国で国際企業との取引量増大、中欧鉄道を利用した事業拡大などを推し進める。

 南アジア・オセアニアはインド事業の強化・拡大、欧米向けフォワーディング強化など、欧州はハイファッションなどへの対応、アフリカ進出によるビジネス拡大といった事項をそれぞれ掲げている。

 日本では重機建設や警備輸送、美術品、移転・引っ越し、不動産開発といった専門事業の収益力をアップさせるほか、国内組織の見直し、料金適正化などによる低収益事業の抜本的改革を打ち出している。R&D(研究開発)機能強化、業務の効率化・省力化にも引き続き本腰を入れていく方向性を鮮明にした。

 同時に、働き方改革が重視されている潮流も考慮し、定年年齢の段階的延長などの人事制度改革に着手。「同一労働同一賃金」の実現などもうたっている。

 コア事業や日本事業に関わるKPI(重要業績判断指標)として、非日系顧客の売上高を430億円まで引き上げるほか、料金改定で50億円の利益プラス、事務プロセス改革で50億円のコスト削減などの数値も設定している。


コア事業や日本事業に関するKPI(日本通運資料より引用)※クリックで拡大

(藤原秀行)

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