拠点数「増やす」が6割超、面積は8割近くに

拠点数「増やす」が6割超、面積は8割近くに

CBREが初の物流施設テナント意識調査

 シービーアールイー(CBRE)は2月23日、物流施設利用に関するテナント企業の意識調査結果を取りまとめた。

 拠点数を増やすと答えた割合が全体の6割超に上るなど、物流機能の拡充に前向きな企業が多いことが浮き彫りとなった。また、物流戦略上の課題を尋ねたところ、雇用確保が最も多く、深刻な人手不足への対応を最重要と捉えている向きが多いことをあらためてうかがわせた。

 調査は昨年9~10月、物流事業者と荷主企業の双方にアンケートを行い、物流事業者191件、荷主企業80件の計271件から有効回答を得た。CBREが物流施設のテナントに意識調査を行うのは初めて。

 倉庫の新設・移転などの計画については、拠点数は「増やす」が63%、面積も「増やす」が78%に達した。「減らす」としたのは拠点数で7%、面積で2%にとどまった。

 拠点数を減らすと答えた13社も、回答を精査した結果、このうち12社は「縮小ではなく統合・集約などの前向きな移転を検討していた」(CBRE)という。


倉庫の新設・移転などの計画の分布(CBRE資料より引用)※クリックで拡大

 倉庫を新設したり、新設を検討したりする際に重視する項目を3つまで聞いたところ、「コスト(賃料、管理費)」がトータルで200を超えた。次いで「立地(通勤利便性、労働力確保)」で150弱、「立地(荷主、配送先)」が約100、「立地(幹線道路へのアクセスの良さ)」が約100となった。多くの企業が雇用確保を重要視していることを物語っている。

 倉庫を新設・移転する際の立地戦略では、物流事業者は「物流集積地(賃料:中位)」が58%で圧倒的に多く、「郊外(賃料:低位)」の18%や「都市部(賃料:高位)」の8%を引き離した。

 半面、荷主は「物流集積地」が39%でやはり最多だったが、「郊外」が26%、「都市部」が17%で対応が分かれた。CBREは「荷主企業は商品構成や店舗展開の強みを物流戦略にも反映しようとしている。そのため、立地選択においても独自色が強く現れる」と考察した。

新設・移転の理由、「老朽化」が3番目に多く

 倉庫を新設・移転する理由としては(3つまで選択可)、「拠点の集約・統合、再編」(100弱)、「荷物の種類・量の変化」(90弱)に続き、「老朽化、使いにくさ」が50超で3番目に多かった。

 CBREは「日本国内では1970年代に最も多くの倉庫が建設され、築50年に近づくものも少なくない。新しいタイプの倉庫に対する需要は潜在的にまだ多い」との見方を示した。

 物流戦略上の課題(3つまで選択可)は、「倉庫作業員の雇用確保」が150超で断トツのトップ。その後は「トラック、ドライバーの確保」(90弱)、「倉庫内作業の複雑化」(50弱)、「倉庫(建物)の老朽化」(40超)、「新テクノロジー(ロボット、AI=人工知能=など)の活用」(約40)といった回答が多かった。


物流戦略上の課題(CBRE資料より引用)※クリックで拡大

 利用したい新技術・サービス(3つまで選択可)は、「無人搬送機、ロボット」と「自動化設備」が110超でほぼ並んだ。「空き倉庫の短期借り(倉庫スペースのシェアリング)」が90超、「AI、ビッグデータ」が約70などと続いた。

(藤原秀行)

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