23年の大規模マルチ型物流施設市場、首都圏は大量供給響き7年ぶりに賃料下落と予想

23年の大規模マルチ型物流施設市場、首都圏は大量供給響き7年ぶりに賃料下落と予想

CBRE調査、過去最高の91.3万坪見込む

シービーアールイー(CBRE)は12月15日、2023年の不動産市場に関する予測を公表した。

物流施設(ロジスティクス)市場は、2023年に首都圏で大規模なマルチテナント型の供給が過去最大の91.3万坪(約301万㎡)になると見込まれ、24年も続くと想定。需要自体は底堅いが大量供給に追い付かず、空室率が23年末に8.1%と、約13年ぶりの高い水準になるとの見通しを示した。

首都圏以外でも、中部圏と福岡県は23年、近畿圏は24年に新規供給が過去最大ペースになると想定。4大都市圏のいずれも22年より需給バランスが緩むと展望している。こうした状況を背景に、空室率は4大都市圏のいずれも上昇傾向になると分析している。

実質賃料は空室率の動きを反映し、23年の首都圏は前年比でマイナス0.4%と、16年以来、約7年ぶりに下落すると分析。中部圏もほぼ横ばいが続くとみている。半面、近畿圏と福岡圏は緩やかながら上昇基調を保つと予想している。

CBREは「いずれの都市圏も新興立地での開発や局地的に供給が集中するケースがあるため、それらの物件のリーシングが想定以上に時間がかかるようであれば、賃料は予想を下回る可能性もある」と説明している。

なお、4大都市圏それぞれの動向については、12月16日以降、個別にあらためてオンラインで紹介する。


(CBRE資料より引用)

(藤原秀行)

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