全業種でも11と低調、「2024年問題」前に危うい先行き
政府が物流事業者や荷主企業と連携してトラックドライバーの就労環境改善などを目指す「ホワイト物流」推進運動に賛同し、自主行動宣言を提出した企業・組合・団体が11月末時点で大手メーカーや卸・小売業など計1504に到達した。
同運動事務局が12月9日、活動状況を紹介している専用ウェブサイトのデータを更新、公表した。
ただ、10月末からの1カ月間で見ると、新規に同運動への賛同を表明した企業・法人は11で、3カ月ぶりに20台へ到達した9月末から再びペースが鈍化。トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」が目前に迫る中、ホワイト物流の推進運動の先行きが危ぶまれる状況が続いている。
新たに賛同した中で、荷主企業の中心的な位置を占める卸・小売業は4社と健闘したが、製造業は今年3~4月以来、半年ぶりにゼロを記録。運輸・郵便業は4社だった。
同運動事務局のホームページによると、新規参加を表明した主な企業・団体はドラッグストアチェーン大手のサンドラッグ、紳士服大手のはるやま商事などだった。
ロジビズ・オンラインの独自集計では、運輸・郵便業は10月末時点の796から800 に、卸・小売業は124から128にそれぞれ増加した。製造業は393で変わらなかった。
政府は2019年4月の運動開始に先立ち、上場企業約4000社と、全国47都道府県ごとに売上高上位50社ほどを選んだ約2300社の経営トップへ直接文書で協力を要請した。現状ではそのうちの約2割が運動に賛同している。
(藤原秀行)