三井不動産が神奈川・海老名で初の自然とつながり重視した物流施設開発へ、日本ロジテムが1棟借り

三井不動産が神奈川・海老名で初の自然とつながり重視した物流施設開発へ、日本ロジテムが1棟借り

3000㎡の既存緑地を保全活用、リラックス促進の仕掛けも多数

三井不動産は12月20日、神奈川県海老名市で新たな物流施設「MFLP海老名南」を開発すると発表した。日本ロジテムが1棟借りすることが決まっている。

着工は2023年1月、竣工は24年3月末をそれぞれ予定している。日本ロジテムは神奈川県央地区(厚木・綾瀬・平塚・海老名)の 3PL事業の重点注力拠点と位置付け、新たな収益の柱として活用する。


「MFLP 海老名南」外観イメージ

新施設は圏央道の寒川北ICから約4.2km、東名自動車道の厚木ICから約5.2Km。東名と圏央道の結節点の海老名エリアに位置する恵まれた交通環境で、首都圏と近畿圏、中京圏を結ぶ広域物流拠点になると見込む。

地上4階建て、総延床面積は約3万7470㎡を計画。1階のトラックバースは45ftコンテナ車両に対応し、72時間対応の非常用発電機を備えるなど、BCP対応を充実させる。

従前から当該地域にあって地元住民にも親しまれていた大規模な緑地帯を出来る限り残すため、約3000㎡の既存樹木や緑地空間を保全。緑地空間につながる屋外テラスと1階ラウンジを一体設計し、施設の従業員が自然とのつながりを感じながらリラックス効果や生産性の向上を追求できるMFLP初の「BIOPHILIC LOGISTICS CENTER」()とする構想だ。

近年、自然とのつながりを感じられることで、疲労感やストレスが低減され、創造性や生産性、幸福度が上昇することが示され注目されているBiophilic Designを取り入れ、通常の執務スペースから離れて気分転換しながら仕事や休憩時間、ランチタイムなどに心地良く自然を感じながらくつろげる空間にする。

自然との一体感をより高めるため、1階ラウンジには自然界の音空間をそのまま再現するJVCケンウッドのKooNe(クーネ、ハイレゾ空間音響デザインソリューション)などを採用し、ウォールグリーンと自然素材家具を設置する。

加えて、五感でも自然を感じられるよう、共用部エントランスには自律神経を整える 100%天然のエッセンシャルオイルを使ったアロマディフュザーを取り入れ、リラックス効果が得られ自然な香りを感じられる設計とする予定。


屋外テラスのイメージ


1階ラウンジのイメージ


KooNeイメージ

無人売店設置、ラウンジへの Wi-Fi 導入、女性トイレへの OiTr(オイテルが展開する個室トイレに生理用ナプキンを常備し無料で提供するサービス)などを検討する。

最高ランクの「ZEB」認証および DBJ Green Building 認証の取得を予定。屋上に設置する太陽光パネルによる再エネ電力供給や屋内照明のLED化で省エネを推進し、MFLPでは「MFLP海老名Ⅰ」「MFLP座間」に続く3施設目の「グリーンエネルギー倉庫」とする。
加えて、MFLP初の試みとして、太陽光パネルによる余剰電力を有効活用可能な、パワーエックス製蓄電池付き超急速EV(電気自動車)充電器「Hypercharger」を導入、脱炭素化を促進する。


屋上太陽光発電設備イメージ


超急速EV充電器「Hypercharger」イメージ(パワーエックス提供写真)

■施設概要

名 称 三井不動産ロジスティクスパーク海老名南(MFLP 海老名南)
所 在 神奈川県海老名市本郷 517
敷地面積 約 18,110 ㎡
延床面積 約 37,470 ㎡
規模・構造 地上 4 階建て・S 造
設計者・施工者 株式会社錢高組
着 工 2023 年 1 月 10 日予定
竣 工 2024 年 3 月末予定

■位置図
<広域図>

<狭域図>

(藤原秀行)※写真は全て三井不動産提供

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