【独自】香港の不動産ファンド大手ガウが日本初取得の物流施設、主要デベロッパーが開発主導

【独自】香港の不動産ファンド大手ガウが日本初取得の物流施設、主要デベロッパーが開発主導

メープルツリーなど、優良案件への高い注目度裏付け

香港の不動産投資ファンド大手ガウ・キャピタル・パートナーズが日本で初めて取得した物流施設7物件に関し、開発したデベロッパーにメープルツリーインベストメンツジャパンやオリックスグループなど主要不動産企業が名を連ねていることが分かった。

ガウは12月1日、7物件の取得を公表。取得した物件のおおまかな所在地以外、取引内容の詳細を開示していないが、関係筋によると、いずれも米投資ファンド大手のブラックストーン・グループから取得、総額は約800億円に上るとみられる。

主要デベロッパーが開発を手掛けた好立地で高機能の優良な物流施設の案件に対し、円安もあって海外の機関投資家らからの注目度が高いことをあらためて裏付けた格好だ。

7物件のうち、千葉県印西市と栃木県足利市の計3物件はメープルツリーが開発。また、埼玉県蓮田市と神奈川県厚木市の2物件はオリックスグループが開発を担い、それぞれ異なる大手物流事業者が拠点として賃借している。

神奈川県相模原市の1物件はトーセイが開発を手掛け、別の大手物流企業が利用。残る茨城県常総市の物件は詳細が不明。

ガウは7物件に関し、個々の稼働状況などを踏まえ、ESGの観点を重視しながら賃料の見直しや新たなテナント企業の誘致、ニーズが伸びている冷凍・冷蔵設備の導入、太陽光発電パネルの設置による脱炭素化といった価値向上策を適宜実施していく見通し。

同社は既に、取得した5物件のアセットマネジメント(AM)業務をジーエルアールインベストメントに委託しており、日本の物流施設のAM業務に新たな潮流をもたらすかどうかが注目されそうだ。

(藤原秀行)

物流施設/不動産カテゴリの最新記事