サービスブランド統一し自動化・省人化にも注力、売上高1000億円上積み目指す
SBSホールディングス(HD)は12月26日、EC領域の物流対応を強化すると発表した。
2023年1月以降、グループ全体でEC物流のサービスを「EC物流お任せくん」のブランドに統一。EC専用物流拠点の配備や庫内作業自動化の採用拡大、専用システムの開発などを進め、輸配送から保管、ピッキング・梱包、入出荷、顧客管理など、顧客の希望する業務工程を的確にサポートできる「プラットフォーム」体制を整備する。
SBSHDは2030年に、EC物流関連売上高を現状の約200億円規模から1000億円上積みすることを目指している。スタートアップから中堅、大企業まで様々な領域のEC物流をカバーし、目標を達成していきたい考え。アパレルや日用品といったBtoCだけでなく、オフィス用品といったBtoBの領域でも取り扱いをさらに伸ばすことを視野に入れている。
東京都内の本社で同日、記者会見したSBSHDの鎌田正彦社長は景気低迷に伴ってECの成長が減速する懸念が広がっていることについて「中長期的にECが増えていくことは絶対間違いない」と述べ、ECプラットフォームのニーズ獲得に自信を見せた。
EC物流の基盤となる物流拠点に関しては、2024年4月に稼働を始める千葉県野田市の大型センターのA棟(約4万坪)を通販専用として運営するのを手始めに、札幌や仙台、北関東、首都圏、中部、関西、九州の各エリアで5000~1万坪のセンターを整備。併せて、それ以外の箇所でも1万~2万坪超の大型センターを数カ所開く予定。
24年以降、トータルで20数万坪のEC対応拠点を整備することを計画している。センター開設に際しては、外部案件の賃借と自社開発の両方をにらんでいる。
さらに、パレットや棚を搬送するAGV(無人搬送ロボット)、自動倉庫といった物流現場の自動化・省力化を実現する先端LT(Logistics Technology)を積極的に採用。荷主側の情報システムと連携し、スムーズな入出荷や在庫管理を可能にする新たな情報システムも構築する。輸配送はSBSグループの宅配や低温物流などさまざまな機能をフル活用する。
ECのプラットフォーム展開開始に合わせて、人気俳優の長谷川博己氏を「EC物流お任せくん」のイメージキャラクターに起用。テレビCMやタクシー広告、YouTubeの動画などに登場してもらう
長谷川氏登場のイメージ広告(SBSHD提供)
(藤原秀行)