新たに10県で置き配指定可能に
アマゾンジャパンは12月28日、インターネット通販の物流拠点「フルフィルメントセンター(FC)」と配送拠点「デリバリーステーション(DS)」、サービスの拡充状況を報告した。
2022年中に講じた施策として、以下を列挙した。
● 新たに10県において置き配指定サービスによるお届けを可能に
● 700万点以上の商品を、沖縄県を含む地域に翌日の配達が可能に
● 西日本最大の物流拠点となるFCを兵庫県尼崎市に新設
● 新たな配送プログラム「Amazon Hubデリバリーパートナープログラム」を発表
● 商品の受け取りができる「Amazonロッカー」のネットワークを拡大、3000カ所以上に
● 置き配利用率が70~75%に拡大
● 「Amazon Key for Business」の導入を15都道府県の5000棟以上の集合住宅に拡大
● 都市部を対象に「当日便」の利用がさらに便利に
DSは22年中、青森、岩手、秋田、埼玉、東京、神奈川、長野、愛知、香川、愛媛、高知、徳島、熊本、沖縄の各都県に18のDSを開設。全国規模で拠点を拡大は初の取り組みとなり、DSは全国で約45カ所以上に達した。
DS拡充の効果で、新たに10県で「置き配指定サービス」を使えるようにした。アマゾン独自の配送ネットワークで700万点以上の商品の翌日配送が可能となる。
全国各地の配送業者「デリバリーサービスパートナー(DSP)」やAmazonと直接業務委託契約を結んでいる個人事業主「Amazon Flex」によるラストワンマイルの配送サービスも順次拡大。中でもAmazon Flexは現在、東京、大阪、千葉、埼玉、神奈川などの関東エリアのみならず、九州、関西、中部、東北、北海道も含めた日本各地で数千人が配送パートナーとしてラストワンマイルの配送を担っている。ドライバーは自分のペースで配送業務を受託できるのがメリット。
両社がタックを組むことで、より迅速な配送、夜間や週末、不在時の配送、再配達など、配送サービスの充実を進めている。
FCに関しても、22年3月には兵庫県尼崎市に新たなFC(尼崎FC)を開設。「Amazon Robotics」や日本独自の自動荷合わせシステムをはじめとする、高度な先端技術を採用し、商品保管容量は約100万立方フィート、延床面積は10万0㎡以上で、規模は東京ドーム2個分以上、西日本最大の物流拠点となった。
現在、国内に約20カ所以上あるFCでは、約1500万立法メートル以上の保管スペースを確保。新拠点を含めるとアマゾン全体の保管容量は前年比10%増えた。
12月には新たな配送プログラム「Amazon Hubデリバリーパートナープログラム」を発表。地域の中小企業が事務所の空きスペースと隙間時間を活用して商品を配送できるようにした。
また、店頭カウンターやロッカーで受け取る「受取スポット」も増やしており、22年には前年比約50%増加となる約1000台のアマゾンロッカーを設置し、連携先の店頭カウンターでの受け取りなどを含めると日本全国約4万カ所で商品の受け取りが可能となる。アマゾンロッカーは、31都道府県で3000台以上を設置済み。
今年1月には羽田空港に入国者向けのアマゾンロッカーを設置、入国前にアマゾンで購入した商品を空港で受け取り、宿泊施設にお持ち込みいただけるようにした。最新のアマゾンロッカーは完全非接触型となり、バーコードリーダーやタッチスクリーンの代わりに、Bluetoothを使ってロッカー内のスロットを開けられる。さらに、アプリ上の案内も簡素化され、目的の受け取り場所を見つけやすくなったという。
置き配指定サービスは22年、「置き配指定サービス」の利用可能地域が前年から10県増の40都道府県となり、日本全国において置き配の利用率は70~75%に達した(2022年12月時点)。玄関への置き配が初期設定だが、注文確定画面で宅配ボックス、ガスメーターボックス、自転車のかご、車庫、建物内受付/管理人の中から指定した場所への変更も可能。
オートロック付きマンションでの商品の受け取りを便利にする「Amazon Key for Business」の導入も、15都道府県5000棟以上のマンションに拡大し、前年同時期の約5倍に到達。Key for Businessは、マンションのオーナーや管理会社からあらかじめ許可をいただいて専用の機器をマンションに設置すると、アマゾンから委託された配送業者や配送ドライバーが、配達する荷物を持っている時だけ、配送アプリからマンションのオートロックを解除できる仕組み。
21年3月に日本でサービスを開始しました。Key for Businessの導入により購入者は不在でも玄関などへの置き配を利用できる。これまでに北海道、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、岐阜、静岡、愛知、滋賀、京都、大阪、兵庫、広島、福岡の15都道府県のマンションで導入済みという。
東京都対象地区での「当日便」(プライム会員対象)も順次利用が広がっている。22年には、対象エリアにおける当日便の午後の利用可能時間を拡大し。これまで午後1時までのご注文で、午後10時までのお届けが、午後3時までのご注文で同日午後6~11時までの配達が可能となった。
(藤原秀行)