米国向け海上コンテナ、3月の中国は前年比10%増も前月から1割減

米国向け海上コンテナ、3月の中国は前年比10%増も前月から1割減

デカルト・データマイン調査、“トランプ関税引き上げ”影響か

米調査機関デカルト・データマインが4月14日公表した海上コンテナ輸送量実績調査結果によると、3月のアジア主要10カ国・地域発米国向け(往航)輸送量は前年同期比12.8%増の163万8375TEU(20フィートコンテナ換算)だった。

23年9月から19カ月連続で前年実績を上回った。全世界ベースで見ても、5.5%増の223万9545TEUと堅調を持続した。

 
 

米国でトランプ大統領が中国などからの輸入品を対象に関税を引き上げる動きを強めているため、発動前からの“駆け込み輸出”が続いたことが全体の取扱量を押し上げたもよう。今後は関税引き上げの影響が世界貿易にどの程度波及するかが焦点となる。

10カ国・地域別の実績を見ると、韓国と香港を除く8カ国・地域がプラスとなった。シェアが5割強で取扱量が圧倒的に首位の中国は10.3%増の83万5448TEUで増勢を維持した。

ただ、前月の2月と比較すると10.9%減っており、デカルト・データマインは「2~3月に米政府が発動した輸入関税引き上げの影響が背景にある」と分析している。今後、前年同月比ベースで増勢を維持できるかどうかが注目される。

取扱量2位の韓国は1.3%減の21万5272TEU、3位のベトナムは41.5%増の18万4685TEU、4位のインドは26.0%増の8万7622TEUなどとなった。日本は14.4%増の4万2620TEU。

上位10品目別の実績は電子電機を除く9品目で前年同月を上回った。トップの家具類は15.6%増、2位の機械類は12.3%増、3位のプラスチックは19.8%増などとなった。

こちらも前月(2月)比では10品目中、家具類など5品目が減少しており、米政府の関税引き上げの影響を示唆している。
 
米国発アジア主要10カ国・地域向け(復航)の2月分は3.3%増の46万3763TEUだった。伸び率は比較対象となる前年の米国税関申告データの一部に欠落があったため、正常に記録されている10カ月間の平均TEUを使い、参考値として算出した。

 
 

(藤原秀行)

経営/業界動向カテゴリの最新記事